研究課題/領域番号 |
63480123
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
木南 凌 新潟大学, 医学部, 教授 (40133615)
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研究分担者 |
内海 利男 新潟大学, 医学部, 助手 (50143764)
高橋 由明 新潟大学, 医学部, 助手 (60115045)
三嶋 行雄 新潟大学, 医学部, 講師 (30166003)
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キーワード | 遺伝的組み換え / 染色体 / 反復配列 / ミニサテライト / ホットスポット |
研究概要 |
遺伝的組換え、その中でも相同組換えは、進化上、またはDNAの傷害の修復などにおいて重要な役割を果たしていると考えられる。本研究は、減数分裂時に不安定な反復DNA配列であるミニサテライトの塩基配列と、不安定性をもたらし維持する機構との関係を調べた。その結果、ミニサテライト中の"GGCAGG"に変異が入ると不安定性を示さなくなることから、この配列を持つミニサテライトは減数分裂時に組換えを起こしやすいことを明らかにした。マウス・ミニサテライトmo-1をプローブとしたときに得られるサザン・ブロット上でのバンド(DNA指紋)のパターンは、他のミニサテライトを用いたときよりも高度な多型性を示す。mo-1の繰り返し単位は、"CTGGGCAGGGAGGA"の14塩基対のコンセンサス配列からなる。ミニサテライトの不安定性に関与する要因を研究するに当たり、マウス亜系統間でのDNA指紋の多型性を不安定性の基準として、mo-1の14塩基対の各塩基について、AからT、CからGまたはその逆に置換した点突然変異DNAを作成し、それらをプローブとして用いたときのDNA指紋のパターンの変化を観察した。その結果は2グループに分類された。すなわち、mo-1様の多型を示すものと、多型を示さないものである。多型を示さなくなるグループには一連の塩基"GGCAGG"に変異をもつものであった。従って、この配列はmo-1型のミニサテライトの多型性を形勢し、維持するために必要な塩基だと考えられる。次に、実際にマウスゲノム中で、mo-1配列を持つミニサテライトPc-1をクローン化し、その遺伝子座の遺伝的挙動を調べた。BALB/CとSM/JのF2マウス66匹のDNAに対して、サザン・ハイブリダイゼーションを行った。その結果、F2の8.8%にBALB/CとSM/J由来のバンドとは明らかにサイズの異なるバンドが検出された。
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