研究課題/領域番号 |
63480124
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
祖父江 憲治 大阪大学, 医学部, 教授 (20112047)
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研究分担者 |
田中 潤也 大阪大学, 医学部, 助手 (70217040)
乾 誠 大阪大学, 医学部, 助手 (70223237)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | エクソサイト-シス / シナプス小胞 / クロマフィン顆粒 / シナプシンI / カルパクチンI |
研究概要 |
神経伝導物質の放出やホルモン分泌などのエクソサイト-シスは、分泌小胞(顆粒)の形成・輸送・細胞膜への結合と融合・開口のプロセスよりなる。殊に、分泌小胞の輸送及び細胞膜への結合へ至る段階は、典型的な細胞運動現象であり、その物質的基盤が細胞骨格で、Ca^<2+>が細胞骨格系蛋白質の調節因子として重要であることが明らかになってきた。本研究では、神経細胞シナプス前部に存在するシナプシンIと副腎髄質細胞のカルパクチンIに注目し超微細形態学的手法を導入して、分泌小胞の輸送及び細胞膜への結合におけるこれら蛋白質の役割を検討した。シナプシンIは、神経の脱分極に伴って燐酸化される蛋白質で、アクチン・チュ-ブリンに結合する蛋白質である。急速凍結ディ-プエッチ法及び免疫電顕法により、本蛋白質がシナプス小胞とアクチン線維あるいは微小管とを架橋する微細線維として存在することが明らかになった。すなわち、シナプシンIは、シナプス前部のシナプス小胞上に存在し、非興奮時にはアクチン線維との架橋によりアクチン線維のbarrierに保持されている。ところが脱分極によりシナプス前部にCa^<2+>が流入すると、キナ-ゼIIの燐酸化がアクチンとの架橋を阻害し、シナプス小胞はアクチンから遊離され、シナプス前膜へ結合すると考えられる。次に、分泌小胞と細胞膜との結合過程を振腎髄質細胞を用いて検討いた。その結果、急速凍結ディ-プエッチ法及び免疫電顕法により、カルパクチンIが、細胞膜と細胞膜に近接するクロマフィン顆粒に球状構造として存在し、アセチルコリンによる分泌刺激時には、両者のヒモ状の架橋構造として存在することが明かとなった。すなわち、カるパクチンIは、Ca^<2+>・リン脂質依存性に構造変化を起こしクロマフィン顆粒と細胞膜を架橋する役割を担うと考えられ、本蛋白質が、エクソサイト-シスの細胞膜・分泌小胞の結合。融合に必須の蛋白質である可能性が示された。
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