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1988 年度 実績報告書

Protein Kinase Cの分子多様性とその構造、機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480126
研究機関神戸大学

研究代表者

岸本 明  神戸大学, 医学部, 講師 (60127363)

研究分担者 荻田 浩司  神戸大学, 医学部, 助手 (60204103)
吉川 潮  神戸大学, 医学部, 講師 (40150354)
西塚 泰美  神戸大学, 医学部, 教授 (10025546)
キーワード蛋白質リン酸化反応 / プロテインキナーゼC / カルシウム / イノシトールリン脂質 / ホルボールエステル / 蛋白質限定分解反応 / カルパイン / ダウンレギュレーション
研究概要

Protein KinaseC(Cキナーゼ)は外界情報の受容伝達において主軸の一つをなしている。cDNAの解析からこの酵素は構造の酷似する複数の分子種の集合体であることが判明している。これらの分子種はその活性化様式、基質特異性、組織発現様式、細胞内局在等において相違することが明らかになりつつあり、個々の細胞はそれぞれ固有の分子種のCキナーゼを有し、独自の情報伝達機構を保持している可能性が生じている。本研究では多様な分子種の構造と機能の特異性に立脚して、細胞機能調節におけるCキナーゼの意義の解明を目指した研究を実施し、以下の成果を得た。ホルボールエステルであるTPAは種々の細胞を活性化するがその際、CキナーゼはTPAの受容体として細胞膜に結合し活性を発現する。Ca^<2+>依存性中性プロテアーゼ(カルパイン)はμ^MオーダーのCa^<2+>存在下に、活性型のCキナーゼを選択的に限定分解し、非常に不安定なフラグメントに変換する。この時、Cキナーゼ分子種で互いに構造の異なる部位(V_3領域)が限定分解を受けることから、β種のCキナーゼの分解速度はα種の約6倍である。KM3やHL60は単一細胞内にαとβ種のCキナーゼを発現している。TPA刺激に際しては両種共に細胞膜に結合し活性型となった後、その活性が消失する(ダウンレギュレーション)。この時にもβ種は速やかに消失するのに対してα種は遅くダウンレギュレーションを受け、長くその活性を保持している。したがって、カルパインによる限定分解がCキナーゼのダウンレギュレーションの開始となる可能性が高く、その感受性の違いからαとβ種のCキナーゼが異なった動態を示すことが見出された。一方、Cキナーゼに極めて特異的な基質ペプチドの合成にも成功し、基質識別機構の解明へとつなげることができた。次年度ではこれまでに得られた基礎的知見に立脚して、個々の分子種の具体的標的蛋白質とその意義の解明も併せて実施する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Akira Kishimoto: J.Biol.Chem.264. (1989)

  • [文献書誌] Yoshitaka Ono: J.Biol.Chem.263. 6927-6932 (1988)

  • [文献書誌] Yasutomi Nishizuka: Nature. 334. 661-665 (1988)

  • [文献書誌] Ushio Kikkawa: Ann.Rev.Biochem.58. 31-44 (1989)

  • [文献書誌] Mark S.Shearman: FEBS Lett.243. 177-182 (1989)

  • [文献書誌] Katsuhiko Ase: FEBS Lett.236. 396-400 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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