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1988 年度 実績報告書

蛋白質のミトコンドリア膜識別と膜透過の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 63480130
研究機関熊本大学

研究代表者

森 正敬  熊本大学, 医学部, 教授 (40009650)

研究分担者 滝口 正樹  熊本大学, 医学部, 講師 (40179578)
天谷 吉ひろし  熊本大学, 医学部, 助手 (50193032)
キーワードオルニチントランスカルバミラーゼ / オキソアシルCoAチオラーゼ / ミトコンドリア蛋白質前駆体 / 精製前駆体 / 非切断性ミトコンドリア識別シグナル / 延長ペプチド
研究概要

ミトコンドリアに局在する蛋白質の大部分は核遺伝子にコードされ、ミトコンドリア外部で合成された後に内部に移行する。ミトコンドアリ外部で合成されたこれらの蛋白質が細胞内の多くの膜系の中でいかにしてミトコンドリア膜を特異的に認識し、膜を通過としてミトコンドリア内へ移行するかという問題は医学・生物学上きわめて重要な問題である。われわれはミトコンドリア蛋白質の多くが延長ペプチドを持つ分子量の大きい前駆体の形で合成されることを動物の系ではじめて明らかにすると共に、3種のミトコンドアリ蛋白質cDNAを単離し、その中2種について構造を決定した。これらの成果を土台として研究を発展させ、つぎの結果を得た。
(1)オルニチントランスカルハミラーゼ前駆体cDNAを入ファージPLプロモーター支配下に太陽菌内に発現させたところ、全菌体蛋白質の5〜10%の高発現が見られた。この前駆体は封入体を形成しているためまず封入体を精製し、6M尿素で可容化することにより前駆体をほぼ均一に精製した。精製前駆体を単離ミトコンドリアとインキュベートするとミトコンドリア内に取り込まれて成熟酵素に転換された。したがって精製リコンビナント前駆体は膜透過可能な状態であることが示された。
(2)オキソアシルCoAチオラーゼはミトコンドリア蛋白質としては例外的に延長ペプチドを持たず、成熟酵素内に非切断性のミトコンドリア識別シグナルが存在するはずである。本酵素cDNAの種々の部分をレポーター蛋白に結合させた融合蛋白を培養細胞に発現させてその局在を調べることにより、N末端の61アミノ酸残基がミトコンドリア識別シグナルとして働いていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hata,Akiva 他: J.Biochem.103. 302-308 (1988)

  • [文献書誌] Murakami,Kaoru 他: J.Biol.Chem.263. 18437-18442 (1988)

  • [文献書誌] Amaya,Yoshihiro 他: J.Biol.Chem.263. 11463-11470 (1988)

  • [文献書誌] Hamano,Yuji 他: J.Histochem.Cytochem.36. 29-35 (1988)

  • [文献書誌] 天谷吉宏、森正敬: 実験医学. 6. 708-714 (1988)

  • [文献書誌] 村上薫、森正敬: 生体の科学. 39. 555-558 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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