研究課題/領域番号 |
63480132
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
斎藤 國彦 関西医科大学, 医学部, 教授 (80077560)
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研究分担者 |
菅谷 純子 関西医科大学, 医学部, 講師 (30098131)
中山 玲子 京都女子大学, 食物学科, 講師 (60172483)
里内 清 福山大学, 工学部, 助教授 (50098125)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | PAF / 内在性PAFインヒビタ- / ビニ-ルPAF / PGF_<2α> / ラット / 胃 / 心筋 / 卵巣 |
研究概要 |
PAFは多彩な生理活性をもった最初の天然燐脂質である。その医学生物学的意義としては2面性があり、1つはよく知られている様に免疫・炎症に関わるメジエ-タ-であり、他の1つは研究仮説の段階であるが、オ-タコイドとして正常細胞の機能を維持し、発現する作用である。 今回、我々が研究したのはPAFがオ-タコイドの1種であることを示そうとしたもので、次の成果を得た。 1.正常ラットの胃のPAFレベル 部位によってPAFレベルに差があり、前胃、腺胃の前庭部と体部、12指腸では前庭部に最も高く(940nmol/mol組織燐脂質)、次いで12指腸、体部、前胃の順であった。 このラットを23℃で水浸拘束を加えると、体部に潰瘍を形成するが、体部、前庭部のPAFは水浸後直に、潰瘍形成より遥かに早期に減少した。 2.正常ラットの心筋に発見されたビニ-ルPAFについて PAFと構造類縁のビニ-ルPAFがラット、およびモルモットの心筋に存在することを初めて報告した。血小板凝集能で比較するとビニ-ルPAFはPAFの約20%の生物活性を示した。 3.卵巣摘出ラットのPAFおよびPGに及ぼすエストラジオ-ルの影響 卵摘により子宮のPAFは減少し、エストラジオ-ルの投与により回復するが、その挙動はPGF_<2α>と同じであり、PGE_2とはむしろ逆の関係にあった。 以上の成績はPAFおよびその類縁体が正常組織に存在し、そのレベルが種々の非炎症刺激に応じて変動していることは、研究仮説の様にオ-タコイドとしてのPAFの意義を確証するものと考えている。将来更にこの方向で研究を発展させたい。
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