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1989 年度 実績報告書

持続的リンパ増殖性病変の免疫組織化学及ぴ分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 63480140
研究機関愛知県がんセンター

研究代表者

須知 泰山  愛知県がんセンター研究所, 研究員 (30163033)

研究分担者 上田 龍三  愛知県がんセンター研究所, 化学療法部, 部長 (20142169)
キーワードT領域リンパ腫 / 類上皮細胞性リンパ肉芽腫症 / 遺伝子再構成 / T領域異形成
研究概要

リンパ増殖性病変にうち本年度はAILDと同様にT細胞増殖疾患であり、病変が極めて反応性性格を呈しながら予後不良病変である2つの型、即ちT領域性リンパ腫TzLと類上皮細胞性リンパ肉芽腫(リンパ類上皮細胞性リンパ腫)LeLについて、前年度と同様の方法により二重免疫組織化学的手法及びTCRとIg遺伝子再構成の検出法を行い、それらにおける"真の"増殖細胞のPhenotypeと増殖細胞のclonalityの存否を検索した。その結果、1、この2型の病変における"真の"増殖細胞は殆どの例でCD4thelper/inducer T-cellであり、特にLeLでは純粋にCD4+Cellの増殖である。2、TzLでは14例中8例に、LeLでは9例中5例にTCR_β遺伝子のclonalな再構成を認めこの率はAILDのそれと同程度であった。更にTzLで組織像中に濾泡を有するものと、ないものとではそれぞれ4/10、4/4と検出率に差がみられたが、これはAILDにおける組織学的異型度による検出比率の差と同様に考えられる。3、「濾泡過形成を伴なうT領域異形成」と我々が名づけた病変について同様の検索を行い、1)これらがCD4+helper T-cellの増殖病変であること。2)9例中3例にTCR_β遺伝子の再構成を認め、特に1例で病変から採ったT-cell-rich分画にのみ再構成を証明した。このことは病変中に少なくはあるがclonal成分が存在することを示すものである。
これらの所見より、これらT細胞増殖病変はその反応性様相にも拘らず、恐らくすべての病変中にclonalに増殖するpopulationを含むもので、その意味で"不完全ながら"腫瘍性病変と考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 須知泰山: "末梢性T細胞腫瘍の多様性ーーT領域性リン腫群を中心にーー" 日本病理学会会誌. 78(2). 21-47 (1989)

  • [文献書誌] Nakamura,S: "Interdigitating cell sarcoma(ICS)Evidence of interdigitating cell origin,immunocytochemical studies with mococlonal anti-ICS antibodies" Virchows Archiv A:Pathological Anatomy and Histopathology. 415. 447-457 (1989)

  • [文献書誌] Suchi,T: "T-zone dysplasia with hyperplastic folliclesーーAn incipient T-cell lymphoma" Lymphoid Malignancy Immunocytology and Cytogenetics. 155-163 (1989)

  • [文献書誌] 中村栄男: "未分化大細胞型リンパ腫(Ki-1リンパ腫といわれる悪性組織球症)" 日本網内系学会会誌. 29(4). 293-311 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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