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1988 年度 実績報告書

"造血幹細胞異常症"の病因の解析と骨髄移植による治療のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480147
研究機関関西医科大学

研究代表者

池原 進  関西医科大学, 医学部, 教授 (90108986)

研究分担者 稲葉 宗夫  関西医科大学, 医学部, 講師 (70115947)
安水 良知  関西医科大学, 医学部, 講師 (00142753)
キーワード骨髄移植 / 造血幹細胞 / Natural Suppressar Cell / 自己免疫疾患 / 胸腺リンパ腫 / 血小板減少性紫斑病 / 白血病 / Stromal cell
研究概要

1.種々の自己免疫疾患自然発症モデルマウスが開発され、病因を解析するうえにも、又、新しい治療法を開発するうえにも貢献してきた。しかしながら、人の特発性血小板減少性紫斑病(ITP)のモデル動物は、これまで見つかっていない。我々は、BXSBマウスにNZWの遺伝子を導入した(NZW×BXSB)F_1(W/BF_1)マウスが、人のITPモデル動物として有用であることを見出した。
2.(NZB×NZW)F_1(B/WF_1)マウスでは、自己抗体を産生する異常なLy-1B細胞が加齢とともに増加するが、正常の骨髄細胞を移植することにより、Ly-1B細胞の出現を抑制し、自己免疫疾患を治療できることを見出した。さらにこのLy-1B細胞が正常のマウス胸腺中にも存在することを発見した。
3.幹細胞を分画する過程で、5-lluaroaracil(5FU)にsensitiveな幹細胞(G_1期幹細胞)に極めて強力な免疫抑制機能を有することを発見した。この"G_1期幹細胞"の免疫抑制細胞としての特徴を詳細に解析すると、最近、免疫学の分野で注目を集めているNatural Suppressar(NS)cellsとしての機能を有することが判明した。
4.白血病の病因の解析と治療目的のために、胸腺型白血病(リンパ腫)自然発症AKR/Jマウスに種々の系統マウスの骨髄を移植してきたが、この一連の骨髄移植実験の過程で、BALB/Cマウスの骨髄を移植したときだけ、BALB/C骨髄donor由来の胸腺型白血病が発症することを見出した。
5.最近、造血幹細胞をsuppartするstromal cellsに対する関心が高まっている。同系の骨髄移植と同種骨髄移植の際の12日めのCFU-Sのcolonyを比較すると、明らかに、主要組織適合抗原の一致した環境の方がcolonyの数が多く、colonyの大きさも大きいことが判明した。この事実により、同種骨髄移植の際、造血幹細胞のみを移植するのではなく、幹細胞をsuppartするstromal cellsを同時に補充する必要があることが明らかになった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Susumu IKEHARA,: Immunopathology Immunotherapy Forum. 10. 2-7 (1988)

  • [文献書誌] Ryoji YASUMIZU,et al.: The Journal of Immunology. 141. 2181-2186 (1988)

  • [文献書誌] Muneo INABA,et al.: The Journal of Experimental Medicine. 168. 811-816 (1988)

  • [文献書誌] Naoki OYAIZU,et al.: The Journal of Experimental Medicine. 167. 2017-2022 (1988)

  • [文献書誌] Kikuya SUGIURA,et al.: Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.85. 4824-4826 (1988)

  • [文献書誌] Susumu IKEHARA,et al.: Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.

  • [文献書誌] 池原進: "免疫の研究8.免疫病発症機序の遺伝的背景" 同文書院,

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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