研究課題/領域番号 |
63480147
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
池原 進 関西医科大学, 医学部, 教授 (90108986)
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研究分担者 |
比舎 弘子 関西医科大学, 医学部, 助手 (90151422)
土岐 純子 関西医科大学, 医学部, 助手 (40077681)
長田 憲和 関西医科大学, 医学部, 講師 (40155940)
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (70115947)
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キーワード | 骨髄移植 / 造血幹細胞 / 自己免疫疾患 / Stromal cell / 骨移植 / マウス |
研究概要 |
G_0期の造血幹細胞を精製する方法を開発し、G_0期の造血幹細胞が増殖分化するには、主要組織適合抗原(MHC)がmatchしたstromal cellsが必要であることを見出した(submitted to BLOOD)。 2.種々の自己免疫自然発症モデルマウスに正常のマウスの骨髄を移植することにより、自己免疫疾患が治療可能であることを証明したが、放射線抵抗性の異常幹細胞を有するMRL/lprマウスでは、通常の骨髄移植では、一時的に軽快するものの、残存した放射線抵抗性の幹細胞より、異常なT細胞、B細胞、マクロファ-ジが分化し、自己免疫疾患が再発して来ることが判明した。このMRL/lprマウスをいかに治療するかを検討し、1.の報告の結果に基づいて、再発を防止するには、骨髄移植の際、donor側の骨髄のstromal cellsを一緒に移植する必要があることが明らかになった。doner側のstromal cellsを補充する目的で、骨髄細胞と同時に放射線照射(20Gy)した骨を腎被膜下に移植したところ、donor由来のstromal cellsがrecipientの骨髄にもmograteし、骨髄の環境が(造血系細胞のみならずstromal cells)もdonor側に全て置き換わることが判明した。この様な処置により、放射線抵抗のMRL/lprマウスの造血幹細胞は、骨髄環境がdonor側に置き換わる事により、増殖できず、再発から免れることが明らかになった(submitted to J.Exp.Med.)。 3.自己免疫疾患“造血幹細胞異常説"を直接証明するために、自己免疫疾患自然発症マウス(発症前の若い)の骨髄(T細胞、B細胞、マクロファ-ジを除去し、比重分画で、幹則胞enriched分画)を正常マウスに移植して、臓器特異的自己免疫疾患並びに全身性自己免疫疾患をtranferすることに成功した。この事実は、自己免疫疾患の病因は、幹細胞の遺伝子レベルの異常に起因し、胸腺や環境因子は、accelerating factorとして補助的に働いているに過ぎないことを物語っている(submitted to Nature)。
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