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1989 年度 実績報告書

多包虫症の診断および治療へのモノクロ-ナル抗体の応用

研究課題

研究課題/領域番号 63480148
研究機関旭川医科大学

研究代表者

久津見 晴彦  旭川医科大学, 医学部, 教授 (90072868)

研究分担者 稲岡 徹  旭川医科大学, 医学部, 助手 (00091562)
中尾 稔  旭川医科大学, 医学部, 助手 (70155670)
キーワード多包虫症 / モノクロ-ナル抗体 / 診断 / 治療
研究概要

本研究は、多包虫と特異的に反応するモノクロ-ナル抗体群を作製し、これらの抗体を多包虫症の診断と治療へ応用することを目的としている。現在までに作製できたモノクロ-ナル抗体のうち、多包虫胚細胞層と結合する抗体にアイソト-プを標識し、感染動物へ投与して病巣を画像化することを試みた。しかし、病巣を画像化することはできなかった。これは、抗体が包虫のクチクラ層を越えて胚細胞層へ到達することができないためと思われた。この結果から、薬剤を抗体に結合させることによるミサイル療法に関しても否定的な結果が予想された。そこで、この胚細胞特異的抗体を虫体の生死判定に利用することを試みた。患者から摘出された新鮮な多包虫組織を表層部、深部に分け、好適動物へ移植するとともに組織切片を作製し、動物における虫体の生死判定の結果と組織切片を抗体で染めた結果を対比した。移植実験により、病巣の表層部のみに虫体が生存していることが分かり、その部位は抗体で胚細胞を染めることができた。これらの結果から虫体の生死判定にモノクロ-ナル抗体が応用できると思われた。多包虫症は薬剤による治療効果の判定が極めて困難であるため、もの生検組織の切片で正確に虫体の生死判定ができれば臨床的に有益であろう。また、新たに感染マウスからモノクロ-ナル抗体を作製することも継続している。ウェスタンブロットにより単一のバンドを認識する抗体を3種類作製することができ、このうち65Kd蛋白を認識する抗体は、患者血清でもこのバンドを認識するので、抗原精製に利用できると思われた。今後、この抗体を用いて、抗原精製に努力し、特異性の高い血清診断法を確立することを目標とする。

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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