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1988 年度 実績報告書

B型肝炎ウイルスの感染増殖機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480159
研究機関大阪大学

研究代表者

松原 謙一  大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (20037394)

研究分担者 落谷 孝広  大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (60192530)
キーワードB型肝炎ウイルス(HBV) / 表面抗原遺伝子 / ウイルス感染 / 増殖 / ウイルス粒子形成
研究概要

B型肝炎ウイルス感染患者血清中には、外膜タンパク質として、major S(S;229アミノ酸から成る)とmiddle S(MS;S+55アミノ酸)とで形成されるsmall S粒子と、large S(LS;MS+199アミノ酸)、MS、Sの3つの成分で形成される管状粒子、及びHBV・DNAを含有するDane粒子とが存在する。我々はB型肝炎ウイルスの感染増殖機構を解明し、ウイルスの感染、及び増殖の防禦を達成する目的で、上記の3つの外膜タンパクが、感染能力を持つDane粒子の形成に果たす役割を検討した。すなわち、HBVのクローン化されたDNAゲノムを用いて、表面抗原遺伝子に改変を加え、変異ウイルスゲノムを作製し、この変異ウイルスゲノムをヒト培養肝細胞株に導入し、一時的にウイルス粒子を産生させ、そのウイルス粒子の詳細な検討を行なった。
Site Directed Mutagenesisの手法を用いて、それぞれの外膜タンパク質の翻訳開始コドンに点変異を導入し、LS+MS+S(CM)、MS+S(1M)、LS+S(2M)、それにS(3M)のみ外膜に有するDane粒子形成を試み、それぞれウイルス粒子の性状を比較検討した。
その結果、Dane粒子形成は(OM)のみに見られ、他の(1M)、(2M)、(3M)には認められなかった。従って、Dane粒子形成には3種類の外膜タンパク質成分が共存して初めて可能であることが、遺伝子工学的手法によって明らかとなった。今後これらの変異表面抗原ウィルスを安定かつ大量に産生する細胞株系を開発し、ウイルスの感染・増殖能を調べる材料として用いる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Toshiki Tsurimoto: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 84. 444-448 (1987)

  • [文献書誌] Takahiro Ochiya: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 86. (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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