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1988 年度 実績報告書

リンパ球の増殖と分化を抑制する蛋白性因子の作用機序と分子構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 63480164
研究機関北海道大学

研究代表者

杉村 和久  北海道大学, 免疫科学研究所化学部門, 助教授 (80127240)

研究分担者 済木 育夫  北海道大学, 免疫科学研究所化学部門, 助手 (80133776)
東 市郎  北海道大学, 免疫科学研究所化学部門, 教授 (50028411)
キーワードサイトカイン / LBIF / 細胞増殖 / 細胞周期 / IL-2レセプター / U937 / 増殖抑制 / 免疫制御
研究概要

本研究の課題の遂行により、ヒトマクロファージ様細胞下部U937が産生する新しいサイトカイン(LBIF、リンパ球幼若化阻止因子)を発見し、その分子構造と機能の解析を進めた。以下にその概要を記す。
1.LBIFの構造について
(1)LBIFは高速液体クロマトグラフィーにより単一に精製され、分子量45,000、等電点pI=4.5の一本鎖ポリペプチドである。
(2)単一精製標品のトリプシン消化断片についてアミノ産配列を決定し、コンピューター解析によりLBIFは新規サイトカインであることが判明した。
(3)LBIFのアミノ酸配列の4ヶ所について合成DNAプローブを合成した。
(4)LBIFを分泌するヒトマクロファージ様細胞下部U937の遺伝子ライブラリーを作製した。
2.LBIFの機能について
高速液体クロマトグラフィーにより単一に精製されたLBIF標品を用いLBIFの機能の検討を進めた。
(1)LBIFは細胞傷害性を示すことなく、Tリンパ腺の増殖を阻止し、細胞周期のG_1初期に停止させる。
(2)これはLBIFがIL-2レセプターβ鎖(p75)の発現を抑制することによるものであることが判明した。
(3)LBIFはリンパ球(T及びB細胞)の増殖のみならず、種々の癌細胞の増殖を阻止することが明らかとなった。
以上、LBIFはリンパ球に限らず広い範囲の組織細胞に働くことから細胞増殖制御因子として重要な役割を果たしており、免疫異常症や癌を含め諸々の病態と係わっている可能性が強く示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Sugimura,et al.: Jounal of Chromatography. 440. 131-140 (1988)

  • [文献書誌] 竹田浩治: "Minophagen Medical Review;リンパ球増殖制御と免疫抑制" ミノファーゲン製薬, 201-213 (1988)

  • [文献書誌] 土生芳樹: "Annual Review 免疫 1989;抑制性サイトカイン" 中外医学社, 100-108 (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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