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1988 年度 実績報告書

補体の膜侵襲作用に対する細胞の自己防御機構

研究課題

研究課題/領域番号 63480165
研究機関筑波大学

研究代表者

田村 昇  筑波大学, 基礎医学系, 教授 (90076977)

研究分担者 藤田 禎三  筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (20134223)
キーワード補体制御因子 / DAF / Raji細胞 / C3転換酵素 / 抗DAF単クローン性抗体
研究概要

赤血球膜上の補体制御因子DAFが、C3変換酵素の形成を阻害するのではなく、C3変換酵素の解離失活を促進するように作用することを明らかにしたあと、有核細胞上のDAFの性状について検討した。有核細胞としては、リンパ芽玉様の培養樹立細胞Raji細胞を用いた。その細胞膜より精製したDAFは、ヒト赤血球膜より精製したDAFと同一の分子量で、細胞膜に再び組み入れさせることができ、古典経路と第二経路のC3転換酵素の解離失活を促進させた。そしてその活性は、赤血球膜DAFに対して作られた単クローン性抗体により完全に阻止された。このように、有核細胞膜のDAFは赤血球膜のDAFと同じ作用を示したが、同一量あたりの活性は、有核細胞のDAFの方が赤血球膜のDAFより高かった。
Raji細胞は第二経路で補体と反応し、その結果C3が細胞膜に結合するが、DAFの作用を阻止する単クローン性抗体をあらかじめRaji細胞に作用させておくと、C3細胞膜への結合量が約3倍に増加した。また、リンパ球に対するヒトの抗体とヒト新鮮血清ではRaji細胞はほとんど殺されないが、抗DAF単クローン抗体を同時に作用させると、補体による細胞障害の割合が著しく増加した。
これらの結果より、有核細胞上においてもDAFが、補体の作用が自己細胞に波及するのを防ぐことに、ある役割を果していることが明らかとなった。
後期補体成分の反応を阻止する細胞膜上の制御因子についても検討をすすめており、可溶化した赤血球膜のクロマトグラフィーでは分子量約2万の制御因子が得られている。この因子と既報のC9結合蛋白との異動について、今後検討していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Teizo,Fujita: Immunology. 64. 369-374 (1988)

  • [文献書誌] Teizo,Fujita: Journal of Experimental Medicine. 166. 1221-1228 (1987)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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