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1990 年度 実績報告書

条虫感染における宿主ー寄生虫相互関係の免疫学的・分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480168
研究機関山形大学

研究代表者

鬼武 一夫  山形大学, 理学部, 助教授 (80089846)

研究分担者 伊藤 亮  岐阜大学, 医学部, 講師 (70054020)
キーワードHymenolepididae / Taeniidae / マウス / ラット / 中卵抗原 / 交差免疫 / ワクチン / 感染防御
研究概要

平成2年度はマウス小腸組織内侵入後のH__ー.<microstoma>___ー六鉤幼虫(以下幼虫)の挙動、異種・異属間の幼虫がその感染マウスに対して惹起する再感染に対する抵抗性、T__ー.<taeniaeformis>___ーから作製された分子ワクチンの有効性、の検討を試み、次の成果を得た。(1)H__ー.<microstoma>___ーにおいて、本来の中間宿主でないマウス小腸組織内に侵入し、抗体産生を惹起させる幼虫が、侵入後2時間程で腸組織内からほとんど姿を消す(平成元年度成果)が、もし腸腔内へ逃避したとすると、抗体産生惹起との間に矛盾が生じる。そこで今回その行方について免疫組織学的に検討した結果、肝臓組織内に幼虫の存在を確認することができた。このことは単に抗体産生惹起の事実を説明するだけでなく、マウス体内での幼虫の挙動が終宿主における擬嚢尾虫の挙動を基本的に反映しているという極めて重要な問題を提起している。(2)H__ー.<diminuta>___ー幼虫もマウス腸組織内に侵入したが、本来の宿主であるラットの小腸組織内には侵入しなかった。この事実は、マウスの小腸組織に幼虫は比較的侵入しやすいが、動物種によっては腸組織が侵入に対する抵抗性を持っていることを示しており、寄生虫と宿主の相互関係ならびに抵抗性の本質を理解する上で重要な問題を提起している。(3)H__ー.<nana>___ー、H__ー.<microstoma>___ー、H__ー.<diminuta>___ー、T__ー.<taeniaeformis>___ーの幼虫投与マウスが、H__ー.<nana>___ーの再感染にたいして強い抵抗性を示すことから、自然界において終宿主であるマウスが本来中間宿主に寄生すべき同種、異種、異属の虫卵を偶然に食べることにより、寄生虫の感染に対する抵抗性を有効に獲得するという極めて巧妙な仕組みを有していることを示している。(4)ラットに注射されたT__ー.<taeniaeformis>___ー幼虫から作成された分子抗原は分子量21kDaであり、同条虫の再感染に対して95%の極めて強い抵抗性を惹起し、分子ワクチンとして大いに有効であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Onitake: "<Hymenolepis>___ー <microstoma>___ー:oncospheres invade the intestinal tisssue of the definitive host." Journal of Helminthology. 64. 168-170 (1990)

  • [文献書誌] J.SaSaki: "<Hymenolepis>___ー <nana>___ー』;crossーresistance agasinst oncophere challenge in mice previously given viable or nonーviable oncospheres of H__ー.<nana>___ー,H__ー.<diminuta>___ー,H__ー.<microstoma>___ー and < Taeniae>___ー <taeniaeformis>___ー" Zoological Science. 7. (1990)

  • [文献書誌] A.Ito: "<Hymenolepis>___ー <nana>___ー:Immunity against oncosphere challenge in mice previously given viable or nonーviable oncoーspheres of H__ー.<nana>___ー,H__ー.<diminuta>___ー,H__ー.<microstoma>___ー and <Taenia>___ー <taeniaeformis>___ー" International Journal for Parasitology. 21. (1991)

  • [文献書誌] K.Onitake: "The fate of oncospheres of <Hymenolepis>___ー <microstoma>___ー in mice." Journal of Helminthology.

  • [文献書誌] A.Ito: "Immunity to <Hymenolepis>___ー <microstoma>___ー in mice previously infected with H__ー.<diminuta>___ー." International Journal for Parasitology.

  • [文献書誌] A.Ito: "Vaccination against <ーTaeniae>___ー <taeniaeformis>___ー in rats using a recombinant protein and preliminary analysis of the induced antibody response." Molecular and Biochemical Parasitology. 44. 43-52 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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