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1988 年度 実績報告書

現状に即した高齢者の知的機能測定法の開発ーー内観法及び観察法の比較検討ーー

研究課題

研究課題/領域番号 63480180
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

武田 真太郎  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70073690)

研究分担者 西村 弘  和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (70172690)
松本 健治  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10073694)
吉田 義昭  和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (40174958)
キーワード高齢者 / 知能 / 心理尺度 / 老人ホーム
研究概要

われわれは高齢者の身近なものからみた当該高齢者に対するボケ度評価(以下SI)に関する客観的な指標を作成するために、特別養護老人ホーム(以下特養、N=47名)および養護老人ホーム(以下養護、N=60名)に在園するものを対象として、以下の調査を行った。すなわち精神科医、看護婦、寮母の三者によるSI(5段階評価)、WAIS、長谷川式簡易知的機能スケール(HS)を用いた知的レベル測定、老年精神科依存性尺度(PGDRS)を用いた介護負担度評価、ADL評価および内科診察による身体的評価である。調査結果は以下のとおりである。
1.特養在園者は養護在園者に比べて、HS評点、ADL評価が低く、介護負担度および脳血管疾患の既往を持つものの割合が高かった。
2.三者によるSIは、特養、養護両施設とも完全には一致しなかった。施設毎の核SI間の連関をみると、特養では医師と看護婦間が強く、医師と寮母間が弱かった。一方、養護では看護婦と寮母間が強く、医師と看護婦間が弱かった。連関を弱くする要因として、特養では医師のSIが低い群で寮母のSIが比較的高く、逆に医師のSIが高い群で寮母のSIが比較的高かったことがあげられる。HSと医師、看護婦、寮母のSI間の連関はいずれも特養の方が強かった。
3.各SIを目的変数とした数量化I類による分析の結果、選択された説明変数に関して一定の傾向は認められなかった。決定係数は各SIとも特養の方が高かった。
以上の結果より、評価される側のADLやHS評点のgradeがSIに影響していることが確認された。また評価者の立場によってもSIは変化するので、在宅高齢者およびその介護者を調査する次年度は寮母のSIを基本としたパイロットテストを作成するのが妥当であろう。

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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