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1990 年度 実績報告書

薬物アナフィラキシ-ショックの死体血からの証明

研究課題

研究課題/領域番号 63480186
研究機関福岡大学

研究代表者

柏村 征一  福岡大学, 医学部, 教授 (70004710)

研究分担者 稗田 洋子  福岡大学, 医学部, 助手 (00181058)
原 健二  福岡大学, 医学部, 助手 (00090738)
影浦 光義  福岡大学, 医学部, 助教授 (40037594)
キーワードアナフィラキシ-ショック / ショック死 / 死体血 / ヒスタミン / 死後変化 / Compound 48 / 80 / IgE
研究概要

ショックメディエ-タ-の主役であるヒスタミン(HA)とその主要代謝物である1ーメチルヒスタミン(MHA)の血液中濃度の死後の経時的変化を、犬に肥満細胞から内因性HAを遊離させるCompound48/80を投与することにより検討を行った。1)Compound48/80投与後3ー5分以内に死亡した犬では、そのHAレベルは投与直後から大きく増加し、死後1ー2日以後さらに増加する傾向が認められ、MHAレベルも死後約1ー2日大きく増加現象がみられた。これらの動向はHAを投与した犬の動向とほぼ同様であった。2)Compound48/80投与後、死亡までに10ー20分要した犬のHAおよびMHAレベルは、投与による変化はみられず、死後1ー2日以後HAのみに急激な増加現象が認められた。これらの動向はPentobarbitalを投与した犬の動向と同様であった。これらの変化は試験管内の血液ではみられないことから、以上の死後1ー2日以降のHAレベルの急激な増加は死体内特有の死後変化であり、死亡直前のHAレベルを反映するものではなく、MHAレベルの増加は死亡直前の大量のHAの存在を反映するものと考えられ、HAが多く遊離された可能性を強く示唆する一つの指標となり得るものと思われる。またCompound48/80は、HA以外のchemical mediatorも遊離する作用を有しており、本物質投与により死に到らしめる本法は、従来の免疫法による動物モデルの作製に比較して短時間しかも簡便にアナフィラキシ-ショック状態と類似したモデルを作り出すことが出来、再現性の良いショック死モデルとして法医学分野では有用な方法と考えられる。
一方、ハプテンDinitrophenyl(DNP)基特異的IgE抗体活性の死後変化について、マウスを用いた動物実験を行ったところ、死後3日間20℃で放置した死体中の臓器homogenate上清から、DNP特異的IgE抗体活性が、若干titerの低下はみられるものの、感度よく検出された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yoko HIEDA: "An experimental model of from anaphylactic shock with compound 48/80 and postmortem changes in levels of histamine in blood" Forensic Science International. 45. 159-169 (1990)

  • [文献書誌] Yoko HIEDA: "Postmortem changes in haptenーspecific IgE antibody responses in mice" Zeitschrift f^^¨r Rechtsmedizin. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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