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1988 年度 実績報告書

非乏尿性急性腎不全の発症機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480188
研究機関浜松医科大学

研究代表者

本田 西男  浜松医科大学, 医学部, 副学長 (00010231)

研究分担者 新井 隆己  浜松医科大学, 医学部, 医員
池谷 直樹  浜松医科大学, 医学部, 医員
菱田 明  浜松医科大学, 医学部, 講師 (70111812)
キーワード非乏尿性急性腎不全 / 糸球体有効濾過面積 / 尿細管壊死
研究概要

(目的)急性腎不全には乏尿性(OARF)および非乏尿性(NOARF)のタイプがあるが、両群の発症・維持機序の差異については不明な点が多い。今回、家兎に酢酸ウラニウム(UA)誘発のOARFおよびNOARFを作成し、血行動態、走査電顕における糸球体濾過面積、光顕像につき、両群に差があるか否か検討した。(方法)家兎5匹ずつにUA2mg/kg・BW、0.9mg/kg・BWを静注しOARFおよびNOARFを作成し、3日後に以下の実験を施行し、無処置家兎を対照として比較検討した。まずイヌリンクリアランス(C_<IN>)を測定後、左腎を灌流固定し、光顕像を観察するとともに、糸球体を単離し後固定、脱水、臨界点乾燥コーティングののちに糸球体上皮側、内皮側を走査電顕(日立、Sー800)にて観察した。写真撮影後、画像解析装置にて1)幅1μm以下の足突起占有面積(%CS、×4000)、2)終末足突起間隙占有面積(%IS、×60000)、3)内皮小孔密度(ED)、4)内皮小孔の長径(ES)につき、形態的半定量化を行った。(結果)C_<IN>は対照群5.5ml/min、NOARF群1.3ml/min、OARF群0.0ml/minとNOARF群がOARF群に比し有意に高かった。平均血圧、腎血流量は、OARF群はNOARF群に比しむしろ上昇していた。形態的には、糸球体長径はOARF群で増加し、%CSはNOARF群に比しOARF群では減少度が大であった。(P>0.01)%IS、ED、ESは両群共に対照群に比し減少していたが、両群間に差は認められなかった。光顕上は、両群に尿細管円柱数の差はなかったが、OARF群で髄質外層外帯にて尿細管壊死が多く認められた。(結論)1)OARF群ではNOARF群に比し、尿細管壊死が強く認められた。2)足突起融合はOARF群で多くみられたが、足突起間隙、内皮小孔の形態変化には差がなく、OARFとNOARFのC_<IN>差に糸球体有効濾過面積減少が関与している可能性は少なく、逆拡散の関与が大きいものと思われる。

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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