研究課題/領域番号 |
63480193
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
阿倍 達 埼玉医科大学, 総合医療センター第2内科, 教授 (60051207)
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研究分担者 |
細野 治 , 助手 (50190210)
竹内 勤 , 助手 (50179610)
高野 愼 埼玉医科大学, 総合医療センター第2内科, 助教授 (90101021)
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キーワード | リウマトイド因子 / 慢性関節リウマチ / プロテインA / 抗イデイオタイプ抗体 / 微生物 |
研究概要 |
リウマトイド因子(RF)は慢性関節リウマチ(RA)患者にみられる自己抗体で、それが抗原であるIgGとFC部分を介して結合し免疫複合体を形成している。この免疫複合体は関節ならびに関節外病変形成と密接に関連している。したがってRA患者においてRF産生機序を解明することは、RAの病態、病因追求に重要な意味を持っている。 この方面の研究は近年多数報告されているが、その中で最も重要な論文はRFが微生物細胞壁のFC結合蛋白に対する抗体の抗イディオタイプ抗体であるという假説である。 教室におけるRFに関する一連の研究によって、これまで以下の諸点を明らかにした。(1):RA患者の血清中にみられるRFの抗体価が合併症としての肺炎球菌、白色ブ菌感染によって有意に変動する。(2):細胞融合法によってRF産生株を作成する場合は、ヒト扁桃細胞や脾細胞を無刺激で使用するよりもPWMで刺激した細胞を使用した方が産生効率がよい。(3):最も効率のよい刺激方法はPWMでなくプロテインAである。(4):作製された抗イデイオタイプ抗体は、それと交差反応性イデイオタイプを持つ他のRA患者がin Vitroで産生するRFを有意に抑制する。 以上の成績はRF産生に微生物の感染が深く関与している可能性を示唆している。これまで教室でその観点から検討した微生物としては、肺炎球菌、白色ブ菌、サイトメガウイルスであるが、それらはいずれも細胞壁にプロテインA結合蛋白を持っている。RAとRFとの関係は必ずしも明確ではないが、これまでの多くの事実からすると、RAの病因微生物としてそれら微生物が関与している可能性が強く示唆される。
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