研究課題/領域番号 |
63480198
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
石川 誠 山形大学, 医学部, 教授 (40004783)
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研究分担者 |
鈴木 裕一 山形大学, 医学部, 助教授 (50091707)
亀山 仁一 山形大学, 医学部, 助教授 (60108488)
高橋 恒男 山形大学, 医学部, 助教授 (40004923)
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キーワード | 大腸 / 運動 / 分泌 / 伸展刺激 / コリン作動性神経 |
研究概要 |
本年度はヒトの測定に関しては、主として方法の確立と健常者での基礎的なデータの収集を行った。また動物実験においては、その方法を確立し、いくつかの興味深い結果を得た。1.ヒトでの測定:運動機能を大腸に挿入したチューブよりインフュージョンポンプを用いた定圧潅流法により生理食塩水を注入しつつ内圧の変化を圧トランスジューサーにて計測することより測定した。また管腔内電位(PD)は大腸チューブのもう一方の内腔とカロメル電極を接続させ行った。不関電極は大腿部皮下に設置した。この様な方法により両者を同時に経時的に長時間測定できるようになった。本法により15人の健常者の大腸において、延100時間以上の測定を行い、データレコーダに記録し、以下のようなことが明らかになった。(1)大腸の運動は不規則であり、安静時には蠕動運動と思われる強い収縮は極めてまれにしか起こらない、(2)PDは個体差が大きく、管腔内が+100mVから-50mVまで広く分布していたが、同一個体では部位による差は著明ではなかった。(3)PDにはふらつきがみられたが、収縮との関連は必ずしも明らかではなかった。(4)管腔内に挿入したバルーンを膨らませることにより大腸壁を伸展すると一過性の管腔内負のPD変化が見られた。(5)ムスカリン遮断剤を投与すると運動は停止し、PDはやや正の方に変化しそのまま一定の値に落ち着いた。また伸展による反応も顕著に抑制された。2.動物実験:in vitroでラット大腸の内圧とPDを同時に測定する方法を確立した。人工的な腸壁の伸展、あるいは自発的な収縮にともない、管腔内負のPD変化が起こることを見いだし、これがcl分泌によること、神経の反射を介していること、などを確立した。
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