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1988 年度 実績報告書

非A非B型肝炎のウイルス学的,免疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480200
研究機関信州大学

研究代表者

古田 精市  信州大学, 医学部第二内科, 教授 (20020852)

研究分担者 宜保 行雄  信州大学, 医学部第二内科, 助手 (40161616)
袖山 健  信州大学, 医学部第二内科, 講師 (00163139)
清沢 研道  信州大学, 医学部第二内科, 助教授 (30020829)
キーワード非A非B型肝炎ウイルス / 免疫電顕 / インターフェロン療法 / B_2ミクログロブリン
研究概要

非A非B型肝炎ウイルスについてはこれまで世界各国の多数の研究者がその発見のために努力してきたが、いずれも不成功に終っている。その原因として、A型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスの発見のために従来行われた方法では、そのウイルス量が著しく少ないために検出できないことが推定される。そこで本研究者らは、今回の研究方法として、HTLVーIの場合と同様の検索方法を応用し、非A非B型肝炎患者の生検肝組織およびリンパ球を培養することにより、ウイルス抗原量を増殖させ、電顕的ならびに免疫学的方法によってウイルスの検索を行うことを企画した。免疫電顕的検索としては非A非B型の急性肝炎例で完全治癒がみられ、ウイルス抗体が存在すると推定される患者血清よりIgGを分画して用いた。本年度は約20例の非A非B型慢性肝炎患者の生検肝組織およびリンパ球を種々の培養液によって培養を試み、それら材料について透過電顕および免疫電顕的検索を行ったが、いずれの例においてもウイルス粒子、あるいは非A非B型肝炎に特異的と考えられる反応産物は免疫電顕上みとめられなかった。
つぎに、非A非B型慢性肝炎例19例にインターフェロン治療を行って血中の2′、5′オリゴアデニレート合成酵素活性、B_2ミクログブリン値の変動、肝組織中のB_2ミクログロブリンの表出、組織所見の変化について、B型慢性肝炎の場合のそれらと比較検討した。血中2′、5′オリゴアデニレート合成酵素活性は両群ほヾ同様にインターフェロンにより増加したが、B_2ミクログロブリン値は非A非B型肝炎例ではB型肝炎に比べて有意に低値であった。肝組織中でのB_2ミクログロブリンの表出も非A非B型肝炎例ではB型肝炎例に比べて弱い傾向がみられた。これらのことより、少くともインターフェロンに対する反応の面では非A非B型肝炎はB型肝炎と違っており、免疫学的な病態を異にすると考えられた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 宜保行雄,清沢研道,古田清,中村信,植村一幸,古田精市: 肝臓. 29. 7-15 (1988)

  • [文献書誌] 吉沢要,宜保行雄,袖山健,清沢研道,古田精市 他: 肝臓. 29. 1-6 (1988)

  • [文献書誌] 古田精市,吉沢要,田中栄次: 日本臨牀. 46. 741-744 (1988)

  • [文献書誌] 古田精市,清沢研道,宜保行雄: 肝胆膵. 17. 973-978 (1988)

  • [文献書誌] 吉沢要,清沢研道,古田精市: 日本臨牀. 46. 2624-2628 (1988)

  • [文献書誌] 古田精市,清沢研道,宜保行雄: 日本臨牀. 46. 2584-2588 (1988)

  • [文献書誌] K.Kiyosawa;T.Sodeyama;Y.Gibo;S.Furuta;et al.: "Viral Hepatitis and Liver Diseases ed.by Zuckerman,A.J."Treatment of Chronic Non-A,non-B Hepatitis with Beta-Interferon"" Alan R.Liss, 895-897 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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