研究課題/領域番号 |
63480209
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
久保 恵嗣 信州大学, 医学部, 講師 (80143965)
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研究分担者 |
松沢 幸範 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (40219423)
小林 俊夫 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (80020775)
上田 五雨 信州大学, 医学部附属心脈管研究施設, 教授 (10020702)
酒井 秋男 信州大学, 医学部附属心脈管研究施設, 助教授 (70020758)
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キーワード | 覚醒時緬羊 / 肺傷害 / 肺機能(換気力学) / TNF(tumor necrosis factor) / エンドトキシン |
研究概要 |
本年度は次の2点について検討した。 1.各種の肺傷害の病態生理の差異の解明 覚醒時緬羊にエンドトキシン血症、肺空気塞栓、パラコ-ト中毒および左房圧上昇を惹起せしめ、肺循環動態および肺リンパ動態を検討した。前3者では肺血管透過性亢進垂肺水腫が発生した。肺空気塞栓時の肺高血圧は、空気塞栓子による肺血管の閉塞によるものと思われた。パラコ-ト中毒では肺循環動態に変化なく、肺水腫の発生もパラコ-ト投与後3時間後であり、他の群と異なった変化がみられた。以上より、肺傷害は、それを惹起せしめる原因あるいは誘因により異なることが推定された。 2.TNF(tumor necrosis factor)およびエンドトキシン肺傷害時の換気力学的検討 気流速度、換気量、肺内外圧差をレクチコ-ダ-に同時記録し、作図法により動肺コンプライアンス(Cdyn)と肺粘性抵抗(RL)を計算した。エンドトキシン(E.Col,1μg/kg)およびhuman recombinant TNFの1×10^4U/kgを30分で静脈内投与した。両群共、肺動脈の上昇と共に、Cdynは低下しRLは上昇した。これらの変化は、エンドトキシン群では投与開始30分後、TNF群では投与開始15分後よりみられた。TNFはエンドトキシンにより刺激されたマクロファ-ジより放出され、種々の生理活性を示すと考えられている。今回の成績では、TNFも気道収縮作用を有し、しかも、その作用発現がエンドトキシンよりも早期である点、興味深い。
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