研究課題/領域番号 |
63480211
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松本 慶蔵 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (40004767)
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研究分担者 |
高橋 淳 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (50171468)
大石 和徳 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (80160414)
吉田 俊昭 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (60166957)
力富 直人 長崎大学, 医学部附属病院, 講師 (70175032)
永武 毅 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (30164445)
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キーワード | ブランハメラ・カタラ-リス / 呼吸器感染症 / リポポリサッカライド抗体 / 細菌付着 / モノクロ-ナル抗体 |
研究概要 |
1)ブランハメラ・カタラ-リスの電子顕微鏡による表面構造の解析と宿主上皮細胞への付着に関する研究 呼吸器感染症患者由来の新鮮分離ブランハメラ・カタラ-リスの線毛の存在について、透過型電子顕微鏡を用いて検討したところ、線毛保有株が80%、非保有株が20%存在することが明らかとなった。また、電顕的解析から、線毛保有株の咽頭上皮への付着にはこの線毛が関与していることが推定された。さらに、本菌を家兎抗線毛抗体、あるいはトリプシン処理すると、本菌の咽頭上皮への付着能は低下した。これらのことより、ブランハメラ・カタラ-リスの線毛はその咽頭上皮細胞への付着を誘導することが明らかとなった。一方、本菌のヒト気道上皮細胞に対する付着実験も行なった。本菌の気道上皮細胞への付着は咽頭上皮への付着より数倍高く、気道上皮細胞には咽頭上皮の数倍多いブランハメラ・カタラ-リスリセプタ-が存在することが推定された。 2)ブランハメラ・カタラ-リス由来のLipopolysaccharide(LPS)に対する抗体の機能に関する研究 ブランハメラ・カタラ-リスの多くは健常者血清によって溶菌を示さない血清抵抗性菌である。しかしながら、我々は本菌呼吸器感染症患者の回復期血清によって、抗体依存性補体溶菌が認められることを明らかにした。さらに、この効果は本菌由来のLPSを添加することが阻害され、この抗体依存性補体溶菌に抗ブランハメラLPS抗体が関与することが新たに明らかとなった。また、本菌LPSに対するマウスモノクロ-ナル抗体(MAb)をハイブリド-マ技術で作成し、このMAbがブランハメラ・カタラ-リスに特異的であり、他の呼吸器病原菌と交叉反応しないことを明らかにした。
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