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1989 年度 実績報告書

サルコイド-シスおよび過敏性肺炎の発症機作に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480212
研究機関岩手医科大学

研究代表者

小西 一樹  岩手医科大学, 医学部, 助教授 (00091687)

研究分担者 二宮 由香里  岩手医科大学, 医学部, 副手 (00172734)
キーワード肺サルコイド-シス / 過敏性肺臓炎 / 肺胞マクロファ-ジ / 気管支肺胞洗滌 / リンパ球 / TNFーα / ILー2 / ILー2R
研究概要

肺サルコイド-シス(肺サ症)、過敏性肺臓炎(HP)の両間質性肺疾患患者より、気管支肺胞洗滌法によって肺胞マクロファ-ジとリンパ球を採取し、それぞれの細胞の活性化因子として、TNF(腫瘍壊死因子)、ILー2(インタ-ロイキン2)、ILー2R(インタ-ロイキン2受容体)に着目して研究をすすめた。
(1)ヒトリンパ球系細胞株であるMOLT3、MOLT4を用い、ILー2、ILー2Rのノ-ザンブロット解析を行ない基礎的検討を加えた。またヒト末梢血T組胞を用いてこれらmRNAのKineticsを検討した。
(2)肺サ症患者の肺胞マクロファ-ジを用い、TNFーαの産生能を測定したところ、健常非喫煙コントロ-ル群と比較してTNFーαの産生の有意の増加を認めた。TNFーαのcDNAプロ-ブを用いたノ-ザン解析が進行中である。以上の結果より肺サ症が肺胞マクロファ-ジの活性化に伴うTNFーαの産生とそれにひきつづくリンパ球ILー2Rの発現によって病勢の進行と拡大の惹起されることが示唆された。
(3)一方HP患者において末梢血中と気管支肺胞洗滌液中のILー2およびsoluble IL-2Rのレベルを測定したところ、これらの値は健常非喫煙者群と比較して有意に高値を示した。われわれはすでにHPの代表的疾患例である農天肺(Farmer's lung)において、その患者の気管支肺胞洗滌によって得られたTリンパ球の膜表面上へのHLAーDR抗原とILー2Rの表出が健常人や他の疾患コントロ-ルよりも多いことを報告している。過敏性肺臓炎が外来性吸入性抗原チャレンジによる肺間質のTリンパ球の活性化によって発症するモデル的疾患であることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.KONISHI et al.: "Lymphocyte activation and Farmer's Lung" Amur.Rev.respir.Dis. 139. A-187 (1989)

  • [文献書誌] J.R.Spurzem,K.Konishi et al.: "Expression of HLA Class II genes in alveolar macrophages of patients with sdrcoidosis" Am.Rer.respir.Dis. 140. 89-94 (1989)

  • [文献書誌] K.Konishi et al.: "Hemosiderin content and transferrin receptors of alveolar macrophages" Asia-pacific cangress on diseases of the chest. 11. 332 (1989)

  • [文献書誌] 小西一樹: "サルコイド-シスにおけるリンパ球の活性化とクロ-ン性について" 日本胸疾患学会雑誌. 27. 413-417 (1989)

  • [文献書誌] 田村昌士,小西一樹,毛利孝: "農天肺症とサルコイド-シス" 最新医学. 44. 1416-1421 (1989)

  • [文献書誌] 小西一樹,毛利孝: "喫煙者におけり過敏性肺炎発症抑制に関する研究" 厚生省 特定疾患、びまん性肺疾患調査研究班昭和63年度研究報告書. 83-87 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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