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1988 年度 実績報告書

老年痴呆およびクロイツフェルト・ヤコブ病に伴う脳内アミロイドの比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480216
研究機関九州大学

研究代表者

立石 潤  九州大学, 医学部, 教授 (70033305)

研究分担者 北本 哲之  九州大学, 医学部, 講師 (20192560)
キーワードアルツハイマー病 / 老年痴呆 / クロイツフェルト・ヤコブ病 / β蛋白 / プリオン蛋白
研究概要

老年痴呆とくにアルツハイマー病(ADと略)とクロイツフェルト・ヤコブ病(CJDと略)では特異的なアミロイドが沈着する。前者ではβ蛋白、後者ではプリオン蛋白と呼ばれている。我々はこれらのアミロイド蛋白に対し、特異的な抗体を作製し、免疫組織学的に1つ1つのアミロイド沈着が、どの蛋白より構成されるのか同定することに成功した。また、CJD患者の脳を用いて、臨床経過が1年以上におよぶ例では、ほぼ100%にプリオン蛋白よりなるクル斑が証明可能であった。一方、CJDにおけるβ蛋白沈着(老人斑)の頻度は、正常老人の頻度とほぼ一致しており、CJD患者約50例中、クル斑と老人斑の両アミロイドが同時に沈着している例が7例存在した。ADのアミロイドに関する検討では、β蛋白アミロイドの沈着は,従来考えられていた以上に広い範囲に分布することが明らかとなり、小脳、中脳、橋で100%、延髄で67%、脊髄でも33%の症例でアミロイドが検出できることを報告した。両アミロイドの微量定量化への前段階として、本年度は、アミロイドの微量抽出法を開発した。この微量抽出法を用いて、ADの脳よりアミロイド分画を分離するとβ蛋白が主に抽出されてくることを、アミノ酸配列をしらべることにより確認した。本法を正常老化脳に応用すると、全くアミロイド沈着を認めない50歳代の脳の67%に、60歳以上では100%の症例でアミロイドが抽出されてくるのを見出し報告した。一方、CJDのアミロイドであるプリオン蛋白に関しては、すでに微量検出法を確立しつつあり、現在CJD患者の脳からは0.03mg脳湿重量で、十分プリオン蛋白検出が可能となっている。今後、脳以外の一般臓器よりプリオン蛋白の検出をはかる予定である。本年度の研究実績の一部は、以下に記載した論文にすでに発表している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Tateishi,J.: Annals of Neurology. 24. 35-40 (1988)

  • [文献書誌] Kitamoto,T.: American Journal of Pathology. 131. 435-443 (1988)

  • [文献書誌] Tateishi,J.: Annals of Neurology. 24. 466 (1988)

  • [文献書誌] Kitamoto,T.: Annals of Neurology. 24. 537-542 (1981)

  • [文献書誌] Ogomori,K.: Journal of Gerontology. 43. B157-162 (1988)

  • [文献書誌] Ogomori,K.: American Journal of Pathology. 134. 243-251 (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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