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1988 年度 実績報告書

腎内血圧調節ホルモン系の生成調節並びに細胞性作用機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480221
研究機関東北大学

研究代表者

阿部 圭志  東北大学, 医学部, 教授 (60004777)

研究分担者 佐藤 牧人  東北大学, 医学部, 助手 (90201532)
久嶋 実  東北大学, 医学部, 助手 (90142934)
キーワード血管平滑筋 / イノシトール燐酸 / カルシウム / アンジオテンシンII / バゾプレシン
研究概要

本年度の研究としては、主として培養血管平滑筋を用いてカルシウム情報伝達系と脈管作動物質の関係について検討した。まず、細胞内カルシウム濃度をカルシウム蛍光インディケイターにて測定しうる実験系を確立し、これを用いて血管収縮ホルモンのアンジオテンシンIIおよびバゾプレシンによる細胞内カルシウム濃度の特異的な増加を示した。さらに、このカルシウム動態に関係していると考えられている、インシトール燐酸の分析をカラムクロマトグラフィーにて実施し、その結果、イノシトール一燐酸、二燐酸および三燐酸を分離した。さらに、アンジオテンシンIIおよびバゾプレシンにてこれらのイノシトール燐酸生成が増加することを示し、またこれらのホルモンにてイノシトール燐酸総生成量が濃度依存性に増加することを見いだした。一方、高速液体クロマドグラフィー(hplc)にて詳細にイノシトール燐酸を分析しうる系を組み上げ、イノシトール一燐酸、イノシトール二燐酸およびイノシトール(1、3、4)三燐酸、イノシトール(1、4、5)三燐酸、イノシトール(1、3、4、5)四燐酸を分離し、さらにイノシトール五燐酸、イノシトール六燐酸の生成を示唆する結果をえた。このhplcによる分析では、バゾプレシンによるイノシトール(1、3、4)三燐酸、イノシトール(1、4、5)三燐酸、およびイノシトール(1、3、4、5)四燐酸の瞬時の増加があることを観察した。以上の結果より、血管収縮ホルモンによる細胞内カルシウム増加には、イノシトール燐酸の生成が関与する可能性を血管平滑筋で示した。さらにこの実験系をもとに、さらに各種の脈管作動物質(心房性ナトリウム利尿ペプチドなど)、影響についても検討を一部加え、その結果を報告している。
一方、細胞の増殖に関する研究を進め、その基礎的検討を実施している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Takeuchi;K.Yoshinaga;et al.: Kidney International. (1989)

  • [文献書誌] K.Takeuchi;K.Yoshinaga;et al.: J.Cardiovascular Pharmacol.(1989)

  • [文献書誌] K.Takeuchi;K.Yoshinaga;et al.: Endocrinol Japon. 36. 31-37 (1989)

  • [文献書誌] K.Takeuchi;K.Yoshinaga;et al.: Renal Function,Hypertension and Kallikrein-kinin System,ed.H.S.Margorius and O.Iimura,Unibersity of Tokyo Rress,Oxford,. 117-121 (1988)

  • [文献書誌] K.Takeuchi;K.Yoshinaga;et al.: Biosignalling in Cardiac and Vascular System,ed.by M.Fujiwara,Pergamon Press,Oxford,. (1989)

  • [文献書誌] K,Abe;K.Yoshinaga;et al.: Renal Function,Hypertension and Kallikrein-Kinin System,ed.by H.S.Margolius and O.Iimura,Unibersity of Tokyo Press,Tokyo. 117-121 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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