研究課題/領域番号 |
63480221
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 圭志 東北大学, 医学部, 教授 (60004777)
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研究分担者 |
角田 一男 東北大学, 医学部, 助手 (50217361)
工藤 啓 東北大学, 医学部, 助手 (00214966)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | 賢髄質乳頭部集合管 / 高血圧自然発症ラット / プロスタグランディンE_2 / CAMP / CGMP / 細胞培養 / 細胞内セカンドメッセンジャ- / 賢ネフロン |
研究概要 |
本研究は賢内血圧調節ホルモンの生合成調節並びに細胞性作用機構の解明を目的とした。 1. 細胞内カルシウム測定法を確立し、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)の血管平滑筋細胞内作用機構を検討した。バゾプレッシン(AVP)およびアンギオテンシン(AII)は細胞内カルシウムを一過性に増加させるが、ANPはカルシウムの増加を抑制しなかった。しかし、ANPは細胞内カルシウム濃度の基礎レベルを低下させる作用のあること、AVPやAII投与時に生じる急俊な増加に続くカルシウムレベルを低下させる作用のあることを明らかにした。よって、ANPはカルシウム動員機構そのものには影響を与えず、他のCaーATPaseの活性化等の機構を介して細胞内カルシウムレベルに影響を与えるものと考えられた。 2. レ-ザ-顕微鏡により細胞内カルシウムインジケ-タ-のfuraー2、Indoー1の細胞内分布を評価した。さらに、furaー2の細胞内存在形態の分析により、furaー2の細胞内分布が不均一であることを確認した。 3. 高速液体カラムクロマトグラフィ(HPLC)を用いて、イノシト-ル燐酸代謝系とプロスタグランディン(PG)系の関連を検討した。バゾプレッシンおよびブラジキニンによるPGI_2生成と細胞内カルシウム増加とに同時性がみられたことよりPG生成過程におけるカルシウム依存性を示唆する結果を得た。 以上、本研究では賢内血圧調節ホルモンの細胞内カルシウム、イノシト-ル燐酸代謝系の解析を中心とする細胞内セカンドメッセンジャ-の動態的な解析をおこなった。また、レ-ザ-顕微鏡を用いて先進的な細胞内カルシウムイオンの分布についても解析を加えた。今後は、遺伝子工学的な手法を用いて、単一のイオンチャネル等の動態的なホルモン調節機構の解析が不可欠であると考えらる。
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