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1988 年度 実績報告書

染色体脆弱部位の研究:線維芽細胞とリンパ球の差異

研究課題

研究課題/領域番号 63480237
研究機関山口大学

研究代表者

梶井 正  山口大学, 医学部, 教授 (40116710)

研究分担者 桑野 聡  山口大学, 医学部, 助手 (30205265)
村野 一郎  山口大学, 医学部附属病院, 助手 (20200305)
キーワード脆弱部位 / aphidicolin / 皮膚由来線維芽細胞 / EB-lymphoblastoid細胞 / 骨髄細胞
研究概要

1)正常人15名の末梢血Tリンパ球をPHA刺激により短期培養し、葉酸欠乏培地、BrdU添加、aphidicolin添加時の脆弱部位の発現を検討した。28の脆弱部位が出現し、3p14、16q23の順に発現した。現在まで報告のない部位として、17q21、13q31を葉酸感受性、BrdU依存性部位として報告した。2)正常人5名の末梢血Tリンパ球をPHA刺激により短期培養し、皮膚由来の線維芽細胞とaphidicolin誘導性脆弱部位の発現を比較した。リンパ球は、3p14、16q23、xp22、7q32、14q24の順、皮膚由来の線維芽細胞では、3q26・2、7q11・23、16q23、1P31、10q11・2、12q23、7q31の頻度で発現した。このうち、7q11・23、10q11・21、12q23はリンパ球を使用した従来の研究では報告されておらず、皮膚由来の線維芽細胞に特異的だった。さらに5名の脆弱×染色体陽性者の皮膚線維芽細胞についても同様の検討を行い、脆弱部位は正常人とほぼ同様の分布を示した。 3)正常人4名と脆弱×染色体陽性者5名の皮膚線維芽細胞で、チミジンを過剰添加(脆弱部位の発現を検討した。1P13、2P11・2、3q26・2、6q13の順で発現し、このうち1P13、2P11・2はチミジン過剰添加時のみに発現するuniqueな脆弱部位だと考えた。 4)正常人8名のEB-lymphoblastoid細胞を用い、aphidicolin誘導性脆弱部位を検討した。従来EB細胞で発現が確認された11q23以外に、3P14、16q23、7q11・2、4q23、9q13の順に発現した。9q13は現在まで報告がない新しい脆弱部位だった。 5)寛解中の小児悪性腫瘍(ALL4名、リンバ腫2名)の末梢血リンパ球と骨髄細胞でaphidicolin誘導性脆弱部位の発現を検討した。リンパ球は正常人と同じ分布だった。骨髄細胞は、7q31、4q23、3p14、7q11・2、16q23、1p31、3q26・2の順に発現した。
以上の結果から、脆弱部位は組織により発現部位と頻度に差があることを確認した。その差は、DNA複製様式、または組織間での遺伝子の活性の差を反映していると考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Akira Kuwano: Jpn.J.Hum Genet. 33. 355-364 (1988)

  • [文献書誌] Ichiro Murano: Submitted for publication(Hum Genet).

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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