研究課題/領域番号 |
63480239
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
吉岡 章 奈良県立医科大学, 医学部・小児科, 助教授 (40106498)
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研究分担者 |
是澤 光彦 筑波大学, 臨床医学系・産婦人科, 講師 (60107703)
田中 一郎 奈良県立医科大学, 医学部・小児科, 助手 (00201616)
西村 拓也 奈良県立医科大学, 医学部・小児科, 助手 (00192253)
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キーワード | 血友病 / モノクローナル抗体 / 第VIII因子 / 第IX因子 / 保因者診断 / 出生前診断 / 胎児採血 / RFLP(restriction fragment length polyworphism) |
研究概要 |
1.凝血免疫生化学的保因診断:血友病Aに関しては従来からのF.VIII:CとJWF:Agの両測定値に加えて、抗F.VIIIモノクローナル抗体を用いたELISAによるF.VIII:Ag測定値を導入した。本法は精密から安定で、微量測定が可能なことから胎児診断にも応用される(検体保存に超低温槽)。血友病Bに関してはF.IX:Agの他血友病BM家系でははウシ脳プロトロンビン時間(PT)も有用であることを実例で示した(論文1)。 2.分子遺伝学的保因者診断:患者、両親及び保因者のgenomicDNAを材料に、第VIII、IX因子遺伝子およびそれぞれに関連するDNAプローブを用いて、各種制限酵素によるrestriction fragment length polymorphism(RFLP)を分析し、保因者診断を行った(電気泳動装置使用)。血友病Aでは第VIII因子遺伝子内プローブを用い、酵素BclI、XbaI(+KpnI)、BglIで保因者診断率(女性がヘテロ接合体を示す頻度)はそれぞれ27、67、18%であった。(2)。BclIとXBaI(+KpnI)の両方を用いると71%に達した。F.VIII遺伝子外ブローブSt14(酵素TagI)の診断率は55%であった(2)、血友病BではははF.IX遺伝子内RFLPが極めて少ないことから(3)、遺伝子外プローブpX58dIIIc(SstI)及びpX45h(TagI)を導入し、診断率は30〜40%であった(4)。 3.胎児血採血による血友病BM出生前診断の成功:血友病BM患を第1子に持つ保因者妊婦の第2子について、妊娠16週の羊水検査にて男児と判明後、21週にECHO誘導下の経腹壁的胎児肝穿刺により純胎児血を得た。F.IX:C、F.IX:4g、ウシ脳PTが正常域にあったので非血友病男児と診断し、妊娠を継続。正常男児を得た。(1)。 4.胎児採血法の確立:上記BM例を含め、胎児肝採血法による10余例の血友病A、Bの出生前診断を行いつつ(5)、安全性と確実性の向上につとめている(6)
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