研究課題/領域番号 |
63480242
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
小板橋 靖 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (40081715)
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研究分担者 |
藤田 良二郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (70131000)
目黒 嵩 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (60200317)
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キーワード | 培養 / メサンギウム細胞 / 上皮細胞 / リンパ球 / ネフロ-ゼ症候群 / シアル酸 / ウロキナ-ゼ |
研究概要 |
今年度は、クロ-ニング法による糸球体上皮細胞、メサンギウム細胞の培養樹立に目標が置かれた。稀釈法の確立、増殖因子としてのインシュリンの使用、FCSは非働化しない等の条件を確立した。しかし、上皮細胞およびメサンギウム細胞の同定法にはまだ問題を残してはいるが、これら培養系を使用し、以下の結果を得た。 (1)糸球体メサンギウム細胞はその上皮細胞・内皮細胞とともに尿中線溶活性の調節に関与し、ウロキナ-ゼ(UK)のみならずウロキナ-ゼ・インヒビタ-(UKーI)の産生あるいはそれらの活性化に関与していることが新しい知見として得られた。 (2)シアル酸が糸球体基底膜の膜透性に大きく関与していることは以前から報告されてきている。今回新たにこの糸球体細胞のシアル酸代謝にリンホカインが関与している成績が得られた。つまり、真性ネフロ-ゼ症候群(minimal change nephrotic syndrome:MCNS)のリンパ球培養上清を加えた培養液中で、ラット単離糸球体を3日間培養し、その上清中及び単離糸球体組織中のシアル酸量を測定した。MCNS患者リンパ球の培養上清を加えた糸では、その培養上清中のシアリ酸量は対象に比較して上昇を認めた。リンパ球培養の際のmitogen(ConA PHA)の有無にかかわらずシアル酸量が対象に比較して増加していたことから、mitogenが直接シアル酸素の増加に関与したとは考えられない。リンパ球の培養上清中のリンホカインが糸球体細胞内のシアル酸代謝を亢進させたか、糸球体細胞表面から培養液へのシアル酸の遊離に働いた可能性が示唆された。
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