研究課題/領域番号 |
63480244
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐藤 良夫 新潟大学, 医学部, 教授 (80018291)
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研究分担者 |
伊藤 雅章 新潟大学, 医学部, 助教授 (30115000)
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キーワード | ヒト脂腺形態 / 三次元画像解析 / 皮脂 / 尿中17-KS / 薄層クロマトグラフィー / ガスクロマトグラフィー / 脂腺活動性 / 年齢推移 |
研究概要 |
脂腺の三次元画像解析については、女性の前額皮膚材料が十分な例数が集まり、その脂腺形態および体積が年齢とともに変化する結果が得られた。すなわち、20〜30歳代に最大体積および腫大した形態がみられ、電顕的にも盛んな脂質滴産生が観察された。この概要については、昭和63年5月の米国皮膚科研究学会(ワシントンD.C.)で発表した。一方、皮脂の生化学的分析については、総皮脂量が女性で10〜20歳代にピークを示し以後減少するが、男性では30〜50歳でピークとなる。しかし、脂腺の活動性の指標となるワックスエステル÷(コレステロールエステル+コレステロール)比は、男女いずれにおいても、20歳代をピークとする変化を示し、少なくとも女性においては脂腺の形態学的変化と皮脂の生化学的変化が一致した。さらに生化学的に飽和脂肪酸は年齢による変動を示さないが、iso-branch脂肪酸は20歳代に減少し、また、モノ不飽和脂肪酸はその逆に20歳にピークを示した。これらの変化は20歳代の脂腺の活発な脂質合成を繁栄しているものと考えられた。一方、尿中の17-KS排泄量の測定では、男女ともに20〜30歳代でピークを示し、脂腺の活動性の変動が副腎アンドロゲンと密接な関連を持つことが推測された。これらの生化学的データの一部はすでに原著としてJ.Invest.Dermatol.に発表(裏面参照)したが、平成元年4月末の米国研究皮膚科学会において、それに続くデータを発表予定である。今後、さらに症例数の追加と検索を継続し、男性脂腺の形態学的変化をも明瞭にしたいと考えている。
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