• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

各種増殖因子によるヒト皮膚由来表皮細胞および線維芽細胞の増殖制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 63480245
研究機関大阪大学

研究代表者

吉川 邦彦  大阪大学, 医学部, 教授 (20110851)

研究分担者 松本 邦夫  大阪大学, 医学部, 助手 (90201780)
橋本 公二  大阪大学, 医学部, 助教授 (00110784)
キーワード増殖・分化 / ケラチノサイト / TGFーβ / TGFーα / EGF / ILー6 / オ-トクリン / 乾癬
研究概要

本年度において、以下の研究成果を得た。
1.培養ケラチノサイトの分化に対するTGFーβの作用……TGFーβは低Ca^<2+>条件下で培養したケラチノサイトの分化を抑制し、一方、高Ca^<2+>条件下においては、ケラチノサイトの分化を促進し、ケラチノサイトの分化に対しbidirectionalな作用をもつことが明らかになった。
2.TGFーαとその受容体について……TGFーαおよびEGFは、10pg/ml〜100pg/mlの低濃度において培養ケラチノサイトの増殖を促進した。培養ケラチノサイトは、TGFーαを産生していたがEGFを産生していなかった。したがってTGFーαはケラチノサイトの産生するオ-トクリン増殖因子として作用していると考えられる。一方、正常皮膚組織をTGFーαおよびその受容体(EGF受容体)に対する抗体を使って免疫組織化学的に染色したところ、TGFーαは表皮上層に強く染まり、EGF受容体は、主に基底細胞層に局在していた。したがって、in vivoにおいても、TGFーαはオ-トクリン増殖因子として機能していると思われる。また、尋常性乾癬の皮膚においては、受容体が基底層のみならず、表皮上層まで存在しており、乾癬の病態と密接な関係があると思われる。
3.ILー6およびその受容体……ILー6は培養ケラチノサイトの増殖を促進するpositiveな因子であることが明らかになった。また、ILー6およびその受容体に対する抗体を使って皮膚組織を染色したところ、ILー6、ILー6受容体ともに基底層に局在することがわかった。したがってILー6もケラチノサイトの産生するオ-トクリン因子であると考えられる。一方、ILー6はケラチノサイトの分化には影響を与えないことも明らかになった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] K.Hashimoto,et al.: "Growth-inhibitory effects of 1.25-dihydroxyvitamin D3 on normal and psoriatic keratinocytes." Br.J.Dermatol.(1990)

  • [文献書誌] K.Matsumoto,et al.: "Growth-inhibitory effects of 1.25-dihydroxyvitamin D3 on normal human keratinocytes cultured in serum-free medium." Biochem.Biophys.Res.Commun.166. 916-923 (1990)

  • [文献書誌] K.Matsumoto,et al.: "Effect of 1.24R-dihydroxyvitamin D3 on the growth of human keratinocytes." J.Dermatol.17. 97-103 (1990)

  • [文献書誌] K.Matsumoto,et al.: "Modulation of growth and differentiation in normal human keratinocytes by transforming growth factor-β" J.Cell.Physiol.

  • [文献書誌] K.Hashimoto: "Characterization of Keratinocyte plasminogen activator inhibitors and demonstration of the prevention of pemphigus IgG-induced acantholysis by purified plasminogen activator inhibitor." Dermatology Digest. 9. 14-15 (1989)

  • [文献書誌] 松本邦夫(分担): "“細胞膜リン脂質代謝"「現代皮膚科学大系、年刊版」" 中山書店, 10 (1989)

  • [文献書誌] 橋本公二(分担): "“細胞成長因子"「現代皮膚科学大系、年刊版」" 中山書店,

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi