研究課題/領域番号 |
63480246
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
西岡 清 北里大学, 医学部, 助教授 (20077647)
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研究分担者 |
衛藤 光 北里大学, 医学部, 講師 (20137920)
片山 一朗 北里大学, 医学部, 講師 (80191980)
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キーワード | 外毛根鞘腫 / 表皮細胞株 / 表皮細胞由来胸腺細胞活性化因子(ETAF) / インターロイキン1α |
研究概要 |
表皮細胞由来サイトカインの代表である表皮細胞由来胸腺細胞活性化因子(ETAF)を得るため、種々の表皮細胞由来培養細胞株を培養し、その培養上清中ETAF活性を測定した。有棘細胞癌、外毛根鞘腫、悪性異色腫などから樹立された細胞株中、外毛根鞘腫由来の細胞株の培養上清中に最も高いETAF活性が認められた。そこで、外毛根鞘腫由来の細胞株中最も高いETAF活性を示す細胞株を1つ選び、その細胞株が作るETAFの部分精製を行った。ETAF活性はセファデックスG-75ゲル濾過で、分子量約1.5万の画分に溶出された。得られたETAF活性の性状を検討するため、種々の特異抗体によるETAF活性の阻害試験を行った。ETAF活性は抗IL1β、抗IL6抗体では阻害されなかったが、抗IL1α抗体によってその活性が完全に阻止された。以上の結果から、この外毛根鞘腫由来細胞株の産生するETAF活性がIL1αによる可能性が示唆されたので、この細胞株がIL1α産生のメッセージを示すか否かを、IL1αのCDNAを用いて検討した。培養細胞株から得たDNAおよびRNAとIL1αのCDNAとのハイブリダイゼーションを検討した。DNAは種数のDNA分解酵素で処理したのち電気泳動したところ、このDNA断片の一部がIL1αのCDNAとハイブリダイズすることがわかった。さらに、RNAでは、無処理培養条件下の細胞にもIL1αのCDNAとはいぶりだいずするRNAを微量に検出しえたが、この細胞をLSP存在下で培養することによって、より以上のmRNAが作り出されることが明らかとなった。以上より、今回実験に選んだ外毛根鞘腫由来細胞株はETAFを産生し、そのETAFがIL1αに相当するものであることが明らかとなった。
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