研究課題/領域番号 |
63480253
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
濱本 研 愛媛大学, 医学部, 教授 (50026895)
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研究分担者 |
最上 博 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (00157819)
村瀬 研也 愛媛大学, 医学部, 助手 (50157773)
棚田 修二 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (40116950)
飯尾 篤 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教授 (20109002)
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キーワード | 肝血流量 / 門脈血流量 / 肝癌塞栓術 / Xeー133 / Tcー99mアルブミン / 血流動態解析 / 肝血流短絡 |
研究概要 |
昭和63年度の研究において、バル-ンカテ-テルを固有肝動脈内に挿入してXeー133を注入しその洗い出し曲解から総肝血流量を測定し、さらにバル-ンを膨張させて肝動脈血流を遮断の上で再びXeー133を投与して同様の解析によって門脈血流量を測定した。その結果、得られた情報が、肝切除術あるいは肝癌の肝動脈塞栓術実施を安全に実施する上で極めて有用であることを確認した。しかしながら、本法は股動脈よりカテ-テルを刺入するという軽度とはいえ侵襲性のある検査法である点で問題があった。 平成元年度においては昭和63年の研究の成果に基いてより侵襲性の少い検査法の開発とその有用性を検討した。 Tcー99m標識アルブミンを肘静脈よりボ-ラスとして注入し、シンチカメラを用いて関心領域を心臓、腹部大動脈、脾臓および肝臓上に設定して夫々当該部の時間放射能曲線を得た。肝臓部の時間放射能曲線は初期の増加部にひきつづき比較的大きい曲線を形成し、夫々肝動脈血流および門脈血流を示すものと考えられた。両成分の分離は腹部大動脈上に設定した関心領域より得られた曲線を参考に行なった。以上の解析によって肝の動脈血流量と門脈血流量の比が得られ、びまん性肝疾患の血流機能を知る上で有力な情報を与えるものと考えられた。しかしながら、症例によっては肝動脈成分と門脈成分が判然と分離できないものがあり、また肝動脈血流量と門脈血流量の絶対値が現在得られていないので、今後これら2点について解決する必要があると考えられた。尚本法によって肝内の血流のうち短絡を示したものについての定量化が可能であり、今後肝血流量の定量が行なえることになれば短絡血流量の絶対量も算出可能と考えられた。
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