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1990 年度 実績報告書

精神分裂病の多元的大脳生理学的検査による大脳機能局在論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480259
研究機関長崎大学

研究代表者

岡崎 祐士  長崎大学, 医学部, 助教授 (40010318)

研究分担者 内野 淳  長崎大学, 医学部, 医員
森 弘行  長崎大学, 医学部, 助手 (30128227)
木下 博史  長崎大学, 医学部, 助教授 (10039878)
中村 彰  長崎大学, 工学部, 教授 (60128197)
中根 允文  長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
キーワード精神分裂病 / 多元的大脳生理学的検査 / CTスキャン / 局所脳血流 / 脳波等電位図
研究概要

本研究の目的は、精神分裂病の大脳生理学的検査を多元的に調査することによって、客観的診断が可能であるか、精神症状と大脳機能局在が対応するか、との検討を行うことであった。そのためには、それぞれの生理学的検査が充分精密で得られたデ-タ-に信頼性があるという前提条件が確認されなければならない。まずCTスキャンについては、CTから直接デジタルデ-タ-を収集するという従来にない高精度でデ-タ-を解析したが、臨床的に許されるX線被曝の範囲でCT検査を行う限り、ピクセルデ-タ-自体に充分な再現性が得られないとの結果を得た。すなわち正常対照者の同一個体内における大脳実質のCT値は均一であるはずにも関わらず、ROIのとり方によって骨の高吸収度の影響や脳室の低吸収度の影響を容易に受け、脳実質に関して一定のCT値が得られない。しかし、そのような影響を受けないとみられる部位については、分裂病症例について、疾患のある時期にCT値が減退するという事実が認められ、また分裂病群としてもCT値の群平均は有意に低かった。
^<123>IーIMP SPECTによる脳血流については、正常対照者の年齢依存的減少を数学的に妥当な方法で補正した上で、全脳平均血流量として検討を行ったが、分裂病群は有意に血流量は減少を示した。EEGトボグラフィ-検査については、脳波周波数帯域別パワ-値の絶対量として正常対照者と分裂病者について、β2帯域の有意差が見られたが、薬物による影響の評価が充分に出来ないので、分裂病者固有の特徴であるとの結論は保留された。脳波については個体差がかなり大きく統計的有意差は認められなかったが、徐波の増加、α帯域のパワ-値の減退などのかなり普遍的傾向を認めたが、論理的証明には至らなかった。以上の所見から多元的に比較を試みたが、両群間の“群としての特徴"は抽出できるものの個別の症例に対して確実な判別を行うことは未だ過誤の危険が伴う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 内野 淳ら: "X線CTによる精神分裂病者の画像診断" 臨床精神医学. 19. 1827-1838 (1990)

  • [文献書誌] 中村 千秋ら: "頭部X線CT像における脳領域の抽出方法" 電子通信情報学会. 1E90ー95. 91-98 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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