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1989 年度 実績報告書

アルツハイマ-病の脳病変の発生機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480260
研究機関熊本大学

研究代表者

宮川 太平  熊本大学, 医学部, 教授 (90040542)

研究分担者 倉元 涼子  熊本大学, 保健管理センター, 講師
上田 啓司  熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (40112396)
桂木 正一  熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (00161092)
キーワードアルツハイマ-病 / 老人斑 / アミロイド / 神経原線維変化 / PHF
研究概要

12例のアルツハイマ-病の脳の側頭葉、後頭葉からパラフィン包埋ブロックを作成し、連続切片に銀染色、PAS染色、Congo-red染色、ペルドロ-染色を行って光学顕微鏡で観察した。その結果、多数の老人斑の中に毛細血管を見いだすことができるが、全く無関係に見えるものも存在した。しかし、無関係に見える老人斑の一個一個を連続切片で観察すると、いずれかの切片で老人斑の中に毛細血管を証明することができた。また、Congo-red染色でみると、いずれかの切片においてアミロイド線維は毛細血管と連続し、密接に関連していた。ここで得られた所見は、今までに我々が報告してきたごとく、老人斑のアミロイド線維は毛細血管壁において産生されることを示している。
今後はアミロイド線維がきわめて小量しか出現しないために、通常の銀染色やCongo-red染色では検出困難な老人斑においても、アミロイド線維は毛細血管の基底膜で産生されることを電子顕微鏡を用いて証明する。
アルツハイマ-病では老人斑と共に、神経原線維変化(NFT)も特徴的な所見である。その構造は従来、直径約10nmの微小な線維が二本で螺旋状に配列していると考えられており、paired helical filament(PHF)と呼ばれてきた。しかし、これはアルツハイマ-病脳から抽出したNFTを基にして得られた所見であり、抽出過程での種々の物理的、化学的操作により本来の形態を損なっている可能性が否定できない。我々は組織をそのまま固定、包埋して得られた超薄切片を電顕的に観察することにより、次の結果を得た。NFTの超微細構造は直径約3.5nmの小球状のsubunitが縦につながった約8本のprotofilamentが螺旋状に配列している管状構造で、70ー80nm間隔で周期的なconstrictionがみられた。したがって、今後PHFの名称はなくなっていくと考えられる。

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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