研究課題/領域番号 |
63480263
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
栗田 廣 国立精神・神経センター, 精神保健研究所, 部長 (30010466)
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研究分担者 |
三宅 由子 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (60157617)
加我 牧子 国立精神, 神経センター・精神保健研究所, 室長 (20142250)
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キーワード | 発達障害 / 広汎性発達障害 / 自閉傾向 / 診断 / 疾病分類 / 評価尺度 |
研究概要 |
今年度は、自閉行動を測定するスケ-ルとして、「東京自閉行動尺度(Tokyo Autistic Behavior Scale)(TABS)」のデ-タ解析を終了し論文としてまとめ終えた。これによってすでに今年度に論文発表した「小児自閉症評定尺度東京版(Childhood Autism Rating ScaleーーTokyo Version)(CARSーTV)」と「自閉傾向に関するチェックリスト(Checklist for Autistic Tendency)(CAT)」と合せ、自閉傾向を有する発達障害児の行動症候を測定するスケ-ルを3つ準備することができた。これらのスケ-ルを含めて臨床的な多面的な評価を行なった対象群である自閉症以外の広汎性発達障害を有する児童と、対照群としての自閉症児の臨床デ-タの集積は、今年度も続けられ、デ-タ・ベ-スの拡大を行なうことができた。 この間に、すでに前年度において認められた所見である、言語発達の退行を呈する広汎性発達障害は、そうでない広汎性発達障害よりも発達的な予後が不良で、自閉的傾向が強い可能性があることを、引き続き蓄積したデ-タでさらに確認してきた。またこの間に、広汎性発達障害の一部と位置づけられているが、その頻度が少ないために、国際的に見ても十分な研究が蓄積されてこなかった崩壊精神病あるいは崩壊性障害の症例を10例ほど蓄積することができ、これらの状態が自閉症を含む他の広汎性発達障害と比較してどのように異なっているのかについての比較研究を開始した。 また広汎性発達障害は、特有の執着的傾向や社会性の障害があり、様々な適応上の問題が自閉傾向のない精神遅滞などよりも多いことが予想されるが、登校拒否的現象が広汎性発達障害には自閉傾向のない精神遅滞よりも多いことを見出し、このテ-マに関してもデ-タを集種し解析を進めた。
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