研究課題/領域番号 |
63480264
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金澤 康徳 自治医科大学, 医学部(東京大学・医学部(病)講師), 教 (10010399)
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研究分担者 |
野田 光彦 東京大学, 医学部(病), 医員
岡 芳知 東京大学, 医学部(病), 助手 (70175256)
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キーワード | 細胞内遊離Ca〓 / 細胞内小器管 / K^+刺激 / カルバミルコリン / 分泌現象 / Fora2 / EGTA / RINm5F |
研究概要 |
本研究の主眼点は従来生化学的にとらえられているホルモン分泌機構を細胞内の現象として細胞生理学的手法でとらえることにある。方法は細胞内の遊離Ca〓の分布と細胞内小器管の関連特に分泌刺激下におけるそれをとらえ、従来の分泌機構研究において欠落した部分に光を当てることにある。本年度の研究の進行の実際は以下の通りである。 クローン化膵B細胞であるRINm5F細胞を用い、K^+及びカルバミルコリンにより刺激した。K^+刺激ではFura2によって測定される細胞内Ca〓は細胞周辺域より増加し、しだいに細胞質全体のCa〓が増加する。外液のCa〓を除いてEGTAを加えた場合はこのような現象が起らなかった象は起らなかった。カルバミルコリン刺激では細胞質内に斑状にCa〓が増加し、外液のCa〓濃度によって影響を受けなかった。またこの現象はアトロピレ添加で消失するためコリン作動物質としてのカルバコールの特異的作用であることが明らかとなった。これらの現象のタイムコースはK^+では10秒で最大に達し、他方カルバコールでは1秒以内に変化が最大に達することから従来の結果ともよく一致し、従来とは別のアプローチにて細胞の分泌現象の際のCa〓の動きを明らかにし得たということで画期的であり、それぞれ前者は日本糖尿学会、後者を中心に米国糖尿病学会と発表の予定である。 細胞内小器管特に細胞骨格の分析は顕微鏡の調整と観察用の道具の作製に手間どってこれから仕事を展開させることになるが、目下全ての準備が整い本年度末より平成元年度にかけ大きく発展させることが出来ると信じている。
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