研究課題/領域番号 |
63480265
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
内村 英正 東京大学, 医学部(病), 助教授 (00111500)
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研究分担者 |
石川 冬木 東京大学, 医学部, 助手 (30184493)
久保田 憲 東京大学, 医学部, 助手 (50192034)
佐々木 憲夫 東京大学, 医学部, 助手 (40143432)
春日 雅人 東京大学, 医学部, 助手 (50161047)
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キーワード | ヒト甲状腺細胞 / thyroid-derived growth factor(TDGF) / IGF-I / 成長因子受容体 |
研究概要 |
ヒト甲状腺細胞の放出する成長因子(thyroid-derived growth factor,TDGF)の性質について以下の知見を得た。 1.TDGFはIGF-I(insulin-like growth factor-I)のradioimmunoassay系及びradioreceptor assay系においてIGF-Iと極めて類似した性質を示し、さらにFRTL-5細胞を用いた[^3]thymidineのincorporationによる細胞増殖促進作用においても両者は類似した性質を有する。 2.TDGFは酸に安定であり、IN酢酸で抽出され、その抽出蛋白についてSephacryl S-200によるゲル濾過による検討では、分配係数0.35の位置に溶出された。CM agaroseによる陽イオン交換ゲルでpH4.5で溶出される。この時FRTL-5細胞を用いた細胞増殖促進活性は120倍に増加した。この純化TDGFをSDS-PAGEで分析したところ分子量4K、等電点電気泳動法による分析ではpI4.5だった。 3.ラット腎臓由来の線維芽細胞(NRK)による[^3]thymidineのincorporationにも促進作用を示した。従って、この点からもIGF-Iとは異なる物質であることが推測された。 4.ヒト甲状腺細胞を用いて検討したところ、[^3]thymidineのincorporationの促進の機構としてadenylate cyclase-cAMP系を介することが確かめられた。 尚、純化TDGFを用い^<125>I-TDGFを調製し、甲状腺細胞の表面に存在すると考えられるTDGF受容体との相互作用について検討中である。
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