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1988 年度 実績報告書

プロラクチンによるリンパ球機能の調節機構について--とくに自己免疫疾患の発生におけるプロラクチンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 63480267
研究機関東京大学

研究代表者

山路 徹  東京大学, 医学部(病), 講師 (30010143)

研究分担者 山田 明  東京大学, 医学部(病), 助手 (70175660)
石橋 みゆき  東京大学, 医学部(病), 助手 (50134599)
キーワードプロラクチン / 高プロラクチン血症 / 抗甲状腺抗体 / リンパ球機能 / Bリンパ球
研究概要

高プロラクチン血症の患者を対象に、1)抗甲状腺抗体の発現率を調べるとともに、2)末梢血リンパ球サブタイプの解析を行った。まず、プロラクチノーマ73例,先端巨大症40例,正常者160名について、抗甲状腺マイクロゾーム抗体、抗甲状腺サイログロブリン抗体の有無を調べた。100倍希釈血清を用いた場合の抗体陽性率はプロラクチノーマ、先端巨大症、正常者の間で差がなかったが、25倍希釈血清を用いて検討してみると、正常者、先端巨大症の患者では大きな変化が認められなかったのに対し、プロラクチノーマの患者の陽性率は明らかに増加した。女子のプロラクチノーマの患者の陽性率は、両抗体ともに対照の女子より有意に高く、また年代別では、30歳代のプロラクチノーマの女性は同年代の対照に比べて有意に高い陽性率を示した。次に、患者の末梢血からリンパ球を分離し、Leuシリーズ・モノクローナル抗体による二重染色を行った後、flow cytometryにより各抗体の陽性細胞率を調べた。その結果、高プロラクチン血症の患者9名のうち6名では、正常者に比較してB細胞が増加していることが明らかになった。このうち2名では、CD4^+/CD8^+細胞比が高値を示したが、他の症例ではその比は一定ではなかった。以上の結果は、高プロラクチン血症の患者では抗甲状腺自己抗体の発現率が高く、リンパ球B細胞機能の非特異的な亢進があることを示している。すなわち、プロラクチンはBリンパ球の数を増加させることによって免疫機能を増強させるものと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 山路徹: Acta Endocrinol. (1989)

  • [文献書誌] 山路徹: New Engl J Med. (1989)

  • [文献書誌] 石橋みゆき: J Clim Endocrinol Metab. (1989)

  • [文献書誌] 山路徹: "新生理科学大系 第1ケ巻 神経内分泌学" 医学書院, 120-166 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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