研究課題/領域番号 |
63480268
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (40135380)
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研究分担者 |
松井 信夫 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (50023643)
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (80174308)
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キーワード | サイロキシン結合グロブリン / 遺伝子 / 糖鎖 / 部位特異的突然変異 |
研究概要 |
1. 正常及び異常TBG症患者のゲノムTBG遺伝子のクローニング 正常及びサイロキシン(T4)結合能の損なわれた異常TBG症患者の末梢白血球からDNAを抽出、制限酵素EcoRlを用いて完全に消化後、DNAをバクテリオファージEMBL4のDNAに組み込み、in vitroでパッケージングし、宿主細胞LE392(大腸菌K12株由来)に感染させ、ゲノムDNAライブラリーを作成した。このライブラリーを、既にクローニングしたTBG cDNAを用いてスクリーニングし、ゲノムTBG遺伝子をクローニングした。更にM1.3バクテリオファージを用いてエキソン部分の塩基配列を決定した。 2. キメラTBG遺伝子の作成と真核細胞発現ベクターへの組み込み 当初の計画ではゲノム遺伝子を直接COS-1細胞に導入し、発現されたTBGの物理生化学的正常を検討することにより、TBGの糖鎖の役割を検討する予定であった。しかしながら効率よくTBG遺伝子を発現するためには強力なプロモーターの下流に構造遺伝子を挿入してCOSー1に導入した方が良いと考えられた。従って、我々のクローニングしたTBGcDNA(λcTBGna)に欠けいてる5'末端の塩基配列を正常ゲノムDNAより切り出し、これとλcTBGnaを結合して、キメラTBG構造遺伝子を作成し、これを真核細胞発現ベクターpSV2に組み込み、COS-1細胞に導入した。この結果TBG cDNAとハイブリタイズするmRNAが効率よく発現されることがNorthern blot法により確認された。しかしながら、TBGそのものの培養液中への分泌は認められず、エキソンIの5'上流の配列が構造遺伝子に含まれていたことが、正常のTBG mRNAの生成を妨げていることが示唆された。今後翻訳領域のみを有するTBG構造遺伝子を作成し、TBGの合成・分泌、生理活性に果たす糖鎖の役割を研究したい。
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