研究課題/領域番号 |
63480274
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
平田 幸正 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40038625)
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研究分担者 |
江口 洋子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80168781)
荷見 澄子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90154921)
内潟 安子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50193884)
植田 太郎 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70038850)
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研究期間 (年度) |
1989
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キーワード | インスリン / 低血糖 / 自己免疫 / インスリン抗体 / HLA / SH基薬剤 |
研究概要 |
1970〜1990年2月までの20年間における日本のインスリン自己免疫症候群148名について性別、発症年齢等の臨床統計をとり、ついで本症候群の本態であるインスリン自己抗体産生に関して血清中のインスリンをHPLC法でチェックし、ついで本症候群に特有なHLA抗原タイプを探し、さらに主症状である低血糖発症に関係すると思われるインスリン抗体の特徴をスキヤッチャ-ドプロット法で検索した。さらにSH基を有する薬剤によるインスリン抗体産生作用を検討した。 成績:1.本症候群148名は男72、女76で性差はなかった。発症年齢は60〜69歳がピ-クであり、日本の人口構成からみると年齢とともに発症頻度が増加した。2.本症候群の32名においてHLA抗原タイプが報告され、B15:Cw4、DR4が有意に高頻度であった。3.本症候群の低血糖頻発期の血清から抽出したインスリンをHPLC法で分析した成績は合成ヒトインスリンと全く同一部位にピ-クを示し、異常インスリンは認められなかった。4.本症候群の低血糖頻発期に採血しえた6症例について行ったインスリン抗体のスキャッチヤ-ド分析によると、6症例中4症例では双曲線を示したが、その高親和性部分に相当する抗体のインスリン結合能は極めて大きく、親和性はインスリン注射によって生じたインスリン抗体に比べ著名に低かった。1例ではスキャッチャ-ドプロットは1本の直線となり、結合能の異常に大きく親和性の極めて低い抗体であった。残りの1症例の抗体のスキャツチャ-ドプロットはプロゾ-ン現象の著しいものであった。これらは結合インスリンを遊離しやすい性質といえた。5.上記148名中SH基を有する薬剤使用中に本症候群を生じた54名を認めたので、これら薬物の役割を検討し、とくにインスリン分子に対する影響をみたのであるが、誘発理由を証明するにたる成績をえることは出来なかった。
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