研究課題/領域番号 |
63480276
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
斎藤 英彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (20153819)
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研究分担者 |
浜口 元洋 名古屋大学, 医学部, 医員
高松 純樹 名古屋大学, 医学部, 医員
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キーワード | 単球 / 骨髄巨核球 / トロンボモジュリン / FDP / cAMP |
研究概要 |
1.cAMPによるMEG-01のトロンボモジュリン発現の調節 トロンボモジュリン(TM)は、血管内皮細胞表面に存在する糖蛋白で、血中に生成したトロンビンと結合して複合体を形成し、プロテインCの活性化を促進する働きにより、血液凝固の制御に重要な役割りを果すものである。我々およびSuzukiらは以前、TMが血小板、骨髄巨核球、MEG-01に存在することを報告した。本年度は、MEG-01を用いて、細胞内cAMP濃度を高める物質は、TM発現を増加させることを見い出した。すなわち、3mMのdibutyryl cAMP添加により48時間後にはTM活性が約15倍に上昇した。同様にforskolin、プロスタグランジンE_1、8BrcAMPによってもTM活性の3〜11倍の上昇が観察された。さらにNorthern blot法により、TMのmRNAが時間とともに爆発的に増大することが示された。TMの発現は従来から内毒素やインタ-ロイキン1によりdown-regulationをうけることが知られているが、TM発現をup-regulationする物質としてはcAMPが最初でする。尚、同様な現象を他の細胞株(HEL)や血管内皮細胞にも認めている。 2.D-ダイマ-によるNOMO-1のインタ-ロイキン1産生の調節 線溶亢迫時に血中に出現するD-ダイマ-によりNOMO-1が形態学的により成熟型に変化すると共に、インタ-ロイキン1、ウロキナ-ゼ型プラスミノゲンアクチベ-タ-,プラスミノゲンアクチベ-タ-インヒビタ-2(PAI+2)の分泌を促進することを見い出した。この現象は、線溶反応と免疫・炎症とを結合新しい経路として興味深い。
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