研究課題/領域番号 |
63480295
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
日馬 幹弘 東京医科大学, 医学部・外科, 助手 (90201467)
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研究分担者 |
河島 岳史 東京医科大学, 医学部・皮膚科, 講師 (00175291)
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キーワード | 抗イディオタイプ抗体 / モノクロ-ナル抗体 / 癌ワクチン / 免疫療法 / 腫瘍免疫 / エピト-プ / メラノ-マ関連抗原 / 腫瘍関連抗原 |
研究概要 |
大腸癌・膵癌において高頻度に発現され、さらに腫瘍細胞表面よりの遊離されにくい分子量125000を示す表面抗原を認識するモノクロ-ナル抗体C97および抗AFPモノクロ-ナル抗体AFD046を免疫源としてマウスに免疫し細胞融合法により各々数個の抗イディオタイプモノクロ-ナル抗体を作成した。これらの抗イディオタイプ抗体は免疫源として用いた抗体と強く反応する一方、他の抗体群とは反応を示さずその反応は極めて特異的であり、また各々の抗体の細胞への結合を強く抑制するため表面抗原のエピト-プを認識するものと考えられた。特に抗AFD046抗体は現在市販されている他の4つの抗AFPモノクロ-ナル抗体に対して反応を起こさず各々の抗体が抗原内のごく狭い範囲の異なるエピト-プを認識している可能性が示唆された。現在、免疫グロブリンクラスやその性状についての解析中であるがその結果によっては癌ワクチンによる免疫療法への応用できる可能性を有している。又、同時にパラフィン固定標本における免疫染色法の二次抗体としての有用性についての研究をおこなっている。 研究代表者が以前に作成した抗ヒト高分子メラノ-マ関連抗原(HMWーMAA)を認識するモノクロ-ナル抗体に対する抗イディオタイプ抗体(MK2ー23)をさらにマウスに投与したところその血清中に一次抗体と同様の活性を持つことが判明した。この血清をニュ-ヨ-ク医科大学に送ることによりこのデ-タ-の再現性を確認するとともに、生化学的に証明することができた。このことは、internal imageを有する抗イディオタイプ抗体を投与することにより一次抗体と同様の活性を有する人型免疫グロブリンを惹起させることの可能性を裏づけるデ-タ-であり、今後の癌ワクチンの有効性の可能性を示唆するものである。
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