研究概要 |
前年度の報告書において研究代表者が以前に作成した抗ヒト高分子メラノ-マ関連抗原(HMWーMAA)を認識するモノクロ-ナル抗体に対する抗イディオタイプ抗体の1つであるMK2ー23をマウスに投与したところ血清中に一次抗体と同様の活性を有する抗体が存在することを報告した。このデ-タ-をもとに,当研究者よりニュ-ヨ-ク医科大学へ送られたマウスの脾臓をニュ-ヨ-ク医科大学にて細胞融合を施行した結果,Ab1と同様の活性を有するモノクロ-ナル抗体(Ab3)が確立できた。この事実は,生化学的にも証明されたため(未発表)MK2ー23はinternal imageを有することが確認され,人型免疫グロブリンを惹起させる能力を有することが証明された。このため,同大学と共同施設にてMK2ー23の臨床知見及び系統的動物実験が開始され,当研究者もこれに加わっている。 前年度に報告した抗C97抗体は抗体価が序々に低下し,最終的に失う結果となってしまい,現在,再度細胞融合を試みている。抗AFPモノクロ-ナル抗体AFDO46を認識するイディオタイプモノクロ-ナル抗体は2つのエピト-プを認識する抗体を確立することができた(KWー082,Kwー106)。このうち,Kw082は第一抗体であるAFD046と強く反応し,その活性を90%以上抑制するが,Kwー106は約70%にすぎずこの2つのエピト-プは同じものでなく共有する部位が存在するものと考えられた。又,これらのIgGのサブクラスはIgG_1であることがわかった。現在,数種類の標的細胞を用いてその反応性の相異を解析中であるが,抗原としてのAFPとの交差性を現在認められていない。又,動物実験では,マウスの腎被膜下にAFP産生腫瘍(PLc/PRF/5細胞等)を移値し,抗イディオタイプモノクロ-ナル抗体の投与により,どのように変化するか検討している。
|