1.SV40感染によってトランスフォームして冷凍貯蔵中の膵β細胞株細胞(SV-PB)を解凍して培養系にもどし、実験糖尿病ラットの脾内に移植すると、血糖上昇を移植後2週間にわたって抑制することが再確認された。 2.培養SV-PBは培養池にIRIを分泌しない。被移植糖尿病ラットの血糖上昇抑制機序が、生体内でSV-PBがIRIを分泌することによるのか、SV-PBの壊死によるIRI放出によるのかを解明する目的で、免疫反応が弱い腎皮膜下にSV-PBを移植し、その運命を形態学的、免疫組織化学的に追跡中である。 3.SV-PBが培養池にIRIを分泌する条件を検索している。SV-PBが培養基内でIRIを産生・分泌すれば、H^3-thymidineの取り込みで間接的に証明されている環境依存性を直接的に立証することができ、SV-PB機能のカイネティクスが解析できる。 4.フォローファイバー上でSV-PBが培養できるか否かを検索してしる。 5.臨床応用のため、手術で採取した人膵β細胞にプラスミドをエレクトリック・セルヒューザーで移入する予備実験を準備中である。
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