研究課題/領域番号 |
63480312
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中崎 久雄 東海大学, 医学部・外科, 講師 (10056145)
|
研究分担者 |
徳田 裕 東海大学, 医学部・外科, 助手 (20163975)
三富 利夫 東海大学, 医学部・外科, 教授 (20055809)
渡辺 慶一 東海大学, 医学部・病理, 教授 (00055865)
|
キーワード | モノクロ-ナル抗体 / モザイシズム / 多相性(Heterogeneity) |
研究概要 |
我々は制癌剤の抗体を作製し(アドリアマイシンの抗体)免疫酵素組織化学的手法を用いて癌組織における制癌剤の局在を研究した。その結果癌組織は制癌剤感受性において不均一な集団であることを形態学的な所見として観察してきた。この不均一性とそれに伴う耐性の出現は制癌剤の選択において現在の化学療法の直面している最大の問題点である。癌の化学療法に於て直接耐性克服を目的とした制癌剤がない現状では薬物療法をより効果的に行うために副作用を可及的少なくし最大の効果を得るための投与方法の開発が待たれる所である。各種のモノクロ-ナル抗体を作製しこれを用いて癌組織を免疫組織学的に検討した。作製されたモノクロ-ナル抗体は、SH1(Le^x)、FH4(dimeric Le^x)、AH6(Le^y)FH6(sialyl dimeric Le^x)、TKH2(sialosyl-Tn)であった。その結果各々のモノクロ-ナル抗体の癌組織内での相補分布性を観察し得た。癌細胞の抗原やそのエピト-プを認識する抗原は一種類ではなく複数の構成でありそれぞれが異なった薬剤感受性を持つことが示唆された。化学療法剤の選択にあたってはこの事を考慮し複数の組合せが望ましい。 どの様な組合せが適当であるかは今後の検討である。次に制癌剤とモノクロ-ナル抗体の複合体の作製についての研究は現在研究中である。 またいわゆるミサイル療法での複合体の投与に当たっては網内系での阻止が最もおおきな問題である。現在網内系のブロッキングの基礎的研究が進行中である。複合体投与直前に油性製剤の前投与で網内系を約20%ブロッキングすることが可能であった。
|