研究課題/領域番号 |
63480313
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
山田 明夫 東京理科大学, 理学部・物理学教室, 教授 (80075267)
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研究分担者 |
山田 則子 東京女子医大, 医用工学研究施設, 助手 (50107314)
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キーワード | TAE法 / リピオド-ルウルトラフルイド / 肝臓癌 / 徐放性多剤併用抗腫瘍カプセル / 針状のカプセル / 放射線重合 |
研究概要 |
(1)担癌動物の作製 本カプセルを担癌動物に移植するために、ウサギの皮膚癌由来のV×2癌のサスペンジョンを約1〜2cc(1cc中癌細胞は3万個)をウサギの肝臓(右肝臓の第2葉)表面を覆う皮下膜に注入してウサギに肝臓癌を選択的に作製した結果、肝臓癌は肝臓の1葉に2〜3個の直径5mmの癌腫瘤を1週間後に作製することが出来た。発生した癌組織に4種類の中から選択した1種類のカプセルを移植して、14日間飼育し、そのあいだ3日毎に血中濃度を測定した。14日後にウサギを屠殺し、カプセル移植周囲の組織を病理組織学的に検討した。 (2)カプセル移植による病理組織学的検討 5ーFU単剤移植による結果、カプセルはグリソン鞘と癌組織の境に移植されている。核破壊などの若い壊死は見られないが、壊死は癌組織の方にのみ広がり、全体に凝固壊死を形成している。MMC単剤移植の結果、壊死範囲は4カプセル中で最も広く、直径1cm強であった。凝固壊死と新しい核破壊共存している。薬物が長期にわたり、持続的に放出されたことを推測される。ADR単剤移植では移植初期にごく小量の薬物の放出がなされたと推定される。三剤併用カプセルの移植では核破壊→凝固壊死→融解壊死といった非常に特徴的な壊死形成を示した。 (3)肝臓癌を有するウサギに対するTAE法と併用する多剤併用抗腫瘍剤針状カプセル 健康なウサギにTAE法を施すことを試みたが、ウサギの肝動脈がきわめて細く、ウサギの肝動脈より選択的に血栓を作製することに失敗する例が多く、他の犬など大型の動物に肝臓癌を作製することは現時点では不可能であり、その結果、油性造影剤リピオド-ルウルトラフルイドを肝動脈内に投与することによってウサギにTAE法が作製できた。
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