研究課題/領域番号 |
63480314
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
岡島 邦雄 大阪医科大学, 医学部, 教授 (40032867)
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研究分担者 |
原 章倫 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20198881)
磯崎 博司 大阪医科大学, 医学部, 講師 (50151436)
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キーワード | 癌 / 癌のリンパ節転移 / 胃周囲リンパ路 / 直腸周囲リンパ路 / BrdU標識リンパ球 |
研究概要 |
胃癌における腹部大動脈周囲リンパ節への転移およびリンパ流 (1)臨床病理 左腎静脈周囲の大動脈周囲リンパ節郭清を施行した胃癌77例を検索対象として、胃癌における腹部大動脈周囲リンパ節への癌転移状況を検討した。 左腎静脈周囲リンパ節郭清77例中の転移率は23.4%であった。その転移部位は大動脈外側(腎静脈頭側)が20.8%、大動脈大静脈間(腎静脈頭側)に6.5%、大動脈前面(腎静脈尾側)が14.3%、大動脈外側(腎静脈尾側)に5.2%、大動脈大静脈間(腎静脈尾側)に5.2%であり、予想以上に高率のリンパ節転移が認められた。胃癌占居部位別の検討では、胃上部癌では大動脈外側(腎静脈頭側)に、胃下部癌では大動脈前面(腎静脈尾側)に高率に転移が認められた。 リンパ節郭清施行後期間が短く、その効果を評価するには充分な期間ではないが、他に非治癒因子がない場合、郭清例では50%生存月数は16ケ月であり、対照とした腹部大動脈周囲リンパ節のpick up郭清例の7カ月より生存の延長が認められている。大動脈周囲リンパ節郭清の適応を次のごとく定めた。すなわち(1)術中第2群リンパ節に転移ありと判定した場合、(2)胃上部癌では大動脈周囲リンパ節は第2群リンパ節と同等と考えて郭清する。 (2)胃周囲リンパ流 胃上部では噴門周囲、小彎、脾動脈幹の各リンパ節に高い集積性が認められ、大動脈周囲リンパ節と関連が深いことが示された。 胃下部では幽門上下、大彎、肝十二指腸間膜内リンパ節に高い集積性が認められるとともに、左胃動脈幹、総肝動脈に沿う各リンパ節の重要性が示唆された。
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