研究課題/領域番号 |
63480319
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 名古屋大学 (1988, 1990) 神戸大学 (1989) |
研究代表者 |
伊藤 喬廣 名古屋大学, 医学部, 教授 (10022899)
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研究分担者 |
高木 啓之 中京病院, 研究部, 部長
飯尾 賢治 名古屋大学, 医学部, 助手 (10184334)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | ECMO / 静脈・動脈バイパス / 膜型肺 / 新生児呼吸不全 |
研究概要 |
通常のECMO回路は静脈虚脱、空気塞栓、動脈の破綻などの重篤な合併症の危険がある。より安全な実際的なECMO回路を自動制御機構のある血液ポンプを利用することにより開発した。我々が開発した新生児用ECMO回路の充填量は65mlで口径4mmの6all弁と表面積0.5平方米の膜型肺を小児用ECMO回路は充填量120ml、口径6mmの弁と表面積0.8平方米の膜型肺を使用した。これらのポンプは流入する血液の量に応じて自由に自動的に駆出量を変化することができるので、roller pumpの場合のように危険な陰圧を発生しなかった。開発したECMO回路は模式循環回路及び実験動物で性能試験を実施した。21日間に及ぶ連続運動でも血液ポンプ及び駆動装置に異常は経験しなかった。 50頭の犬を用いこの新しいECMOの循環及び呼吸機能に及ぼす効果や影響を研究した。ECMO実施中、平均肺動脈圧及び右心室圧は低下し、右心室への流量負荷が軽減することを認めた。しかし、50ml1min以上の高流量でバイパスを行うと大動脈収縮期圧は低下傾向を示すようになり、左心室収縮期よりも低下の程度が大きいことを見いだした。この時、左右心室の終末拡張期圧は上昇し、高流量のVAーbypassaが両心室の負荷になることを証明した。 結論として、開発されたECMO回路は従来の回路に比べ安全性に優れ、新生児呼吸不全の有用な治療法であるが、不必要な高流量で運転しないような注意が必要である。
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