研究課題/領域番号 |
63480322
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
四津 良平 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30129738)
|
研究分担者 |
黒坂 有 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00186537)
相馬 康宏 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40051437)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
キーワード | 補助人工心臓 / 急性心筋梗塞 / 中隔穿孔 / Mono-ventricularization / 僧帽弁閉鎖栓 / 心臓移植 / 人工臓器 / Bridging use |
研究概要 |
心室中隔穿孔(VSP)及び僧帽弁閉鎖不全(MR)を合併した心筋梗塞詳細に対し心臓移植までの循環維持を目的とした手術法を考案し、その可能性を動物実験により検証した。僧帽弁を閉鎖し両心室をVSPで交通する単心室とし、血管抵抗の小さい肺循環を維持させる一方、左心補助人工心臓(LVAD)によって体循環を維持する。 雑種成犬8頭を用い体外循環下にVSP及びMRを作製して心不全状態とした(肺体血流量比2.24±0.90)。血行動態評価後、再度体外循環下に僧帽弁を閉鎖して両心室を単心室化し、左房脱血、大腿動脈送血でLVADを駆動し体循環を維持した。A)術前、B)VSP+MR作製後C)単心室化+LVAD駆動後の各時点における心係数はA)90.60±23.16,B)42.23±15.76、C)73.43±15.14ml/kg/min(A-B、B-C間に有意差)、平均大動脈圧はA)96.75±24.69、B)30.25±11.08、C)66.50±18.40mmHg(A-B、B-C、A-C間に有意差)、中心動脈圧はA)4.76±1.68、B)8.94±2.17、C)10.68±2.43mmHg(A-B、A-C間に有意差)であった。平均肺動脈圧、平均左房圧はA-Cで有意な変動はなかった。単心失化とLVAD駆動後も血管抵抗が充分に回復せず平均大動脈圧はやや低値を示したが、心係数はほぼ熟前のレベルに維持できた。中心静脈圧は上昇傾向を示したが生理的な許容範囲内にあって輸液やカテコラミン投与により大動脈圧には改善の余地があるものと思われた。本法は手術侵襲が小さい事、従来のLVAD装置がそのまま利用できる事等bridging法として完全置換型人工心臓に勝る点があり、新しい手術法としての可能性を有すると考えられた。
|