研究課題
現在、グリオーマの化学療法においてニトロソウレア系抗癌剤(ACNVなど)が重要な役割を占めている。我々は数種類のヒト継代グリオーマ細胞を用いACNVに対する感受性について検討した。この結果グリオーマ細胞間にACNVに対して感受性の違いがあることがわかり、特に髄芽腫細胞はACNCに抵抗性を示した。一方新しいアンスラサイクリン系抗癌剤であるMX-2は、これら ACNVに対して抵抗性を示す細胞に対して、おおよそ一律に抗腫瘍効果を示すことを、in vitro, in vivoにて確認した。MX-2は、ACNV耐性グリオーマに対して有効な抗癌剤であると思われる。又、ACNVに対して強い抵抗性を示した髄芽腫細胞に対して、β-インターフェロンとACNVにを併用することにより、ACNVの髄芽腫細胞に対する抗腫瘍効果を増強した。また、これらのACNVに対する感受性の異なる細胞は増殖因子の産生の程度にも違いがあり、特に血小板由来増殖因子(PDGF)の産生については差が認められた。現在、このPDGFの産生の程度とACNV耐性との関連について検討中である。また、これらの細胞における薬剤耐性関連遺伝子であるmdr遺伝子についても現在進行中である。
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